他力本願
「他力本願である」などのように使う「他力本願」という言葉。
「他力本願」は、音読みで「たりきほんがん」と読みます。
「他力本願」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「他力本願」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
他力本願の意味
「他力本願」には次の意味があります。
・仏教で、自己の修行の功徳によって悟りを開くのではなく、もっぱら阿弥陀仏の力によって救済されること。転じて俗に、事をなすのに、ひたすら他人の力をあてにすること。(出典:四字熟語を知る辞典)
「他力本願」の「他力」とは、本来は「阿弥陀如来の力」を意味し、その力を借りることによって「本願」を成し遂げることを、比喩的に「他人の力をあてにすること」という意味で使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・「総理があまりに他力本願であることは面白くない」 原田の報告をきいて一同も不満をもらした。(出典:勝田龍夫『重臣たちの昭和史 上』)
・あれこれ思いつくが、いかにも他力本願で、いやしくも詩人の発想とは縁遠い。(出典:野坂昭如『てろてろ』)
・他力本願は卑怯者の手段だ。(出典:国枝史郎『銀三十枚』)
・幸せにしてほしいなんて他力本願しているうちは、決して幸せになれない。(出典:平安寿子『くうねるところすむところ』)
・助け合いといえば麗しいことだが、寮にいると他力本願の連中が押し掛け、やれ文法を解説しろ、やれ修辞学の手本をみせろと、うるさくて試験勉強どころではなかったのだ。(出典:佐藤賢一『王妃の離婚』)
類語
・人任せ(ひとまかせ)
意味:他人に任せきりにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・無責任(むせきにん)
意味:責任を自覚しないこと。責任感がないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・白紙委任(はくしいにん)
意味:人に物事を依頼するとき、条件をつけないですべてを任せること。(出典:デジタル大辞泉)
・負んぶに抱っこ(おんぶにだっこ)
意味:何から何まで人の世話になること。他人の好意に甘えて頼り切ること。(出典:デジタル大辞泉)
・成り行き任せ(なりゆきまかせ)
意味:物事の自然の成り行きにゆだねること。積極的に関わらずに自由にさせること。(出典:デジタル大辞泉)