肖る
「御利益に肖る」などのように使う「肖る」という言葉。
「肖る」は、訓読みで「あやかる」と読みます。
「肖る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「肖る」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
肖るの意味
「肖る」には次の意味があります。
・影響を受けて同様の状態になる。感化されてそれと同じようになる。ふつう、よい状態になりたい意に用いられる。(出典:デジタル大辞泉)
幸運な人や物を見て羨ましくなり、真似たり願ったりすることです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・王ちゃんに肖るんだと言って一番以外の機械ではやらないんですよ。
(出典:森村誠一『致死眷属)
・その景政の武勇に肖るべく、鎌倉武士たちはかれを神として祭った。
(出典:光瀬龍『歌麿さま参る』)
・秀吉は柴田と丹羽に肖りたいといふので羽柴といふ姓を名乗つた。
(出典:坂口安吾『二流の人』)
・せっかくの昔からの地名を変えてまで、何も軽井沢にあやかることはないだろう。
(出典:福永武彦『第一随筆集 別れの歌』)
・「きみのような人気者にあやかりたいよ」、老人のにこにこ顔は明らかにそう語っていた。
(出典:赤瀬川隼『球は転々宇宙間』)
・老人の長命に肖りたいと、生まれた子供の名づけ親を頼まれることも多い。
(出典:宇江佐真理『髪結い伊三次捕物余話 さんだらぼっち』)
・今の神様は諦めて、人気の神様に神社に来て頂いて信仰心を肖るんだよ。
(出典:ZUN『東方香霖堂 ~Guriosities of Lotus Asia』)
・美しいものにあやかることのよろこびを、兎は神さまによって教わりました。
(出典:矢川澄子『兎とよばれた女』)