売り言葉に買い言葉
「売り言葉に買い言葉なやりとり」などのように使う「」という言葉。
「売り言葉に買い言葉」は、訓読みで「うりことばにかいことば」と読みます。
「売り言葉に買い言葉」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「売り言葉に買い言葉」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
売り言葉に買い言葉の意味
「売り言葉に買い言葉」には次の意味があります。
・挑発的なことばを受けて、負けずに強い調子で言い返す。また、悪口には悪口で言い返す。(出典:ことわざを知る辞典)
元々は、物の売買に際しての売り手と買い手との丁々発止のことばのやり取りを指したようです。そこから、けんか腰のことばのやり取り、特にけんかの発端を作るようなことばの受け答えを指して用いられるようになりました。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・売り言葉に買い言葉、酔ってはいると言っても相手はひどいことを言う。
(出典:森瑤子『さよならに乾杯』)
・あなたが叫び出したから、売り言葉に買い言葉でこうなるんやないの。
(出典:米谷ふみ子『過越しの祭』)
・それは売り言葉に買い言葉的なやりとりで決定的なものではなかった。
(出典:新田次郎『孤高の人』)
・決して、売り言葉に買い言葉ってつもりで、夏海、舌にのせた訳ではない。
(出典:新井素子『グリーン・レクイエムII緑幻想』)
・それは、誰もやらないなら自分がやる、という売り言葉に買い言葉的なものであったかも知れない。
(出典:塚本晋也『悪夢探偵』)
類語
・舌戦(ぜっせん)
意味:言いあらそうこと。くちあらそい。口論。論戦。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・ああ言えばこう言う(ああいえばこういう)
意味:いろいろと理屈を並べて、人の意見に素直に従おうとしないさまをいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・喧喧囂囂(けんけんごうごう)
意味:やかましく騒がしいさま。多くの人が口やかましく騒ぎたてるさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・甲論乙駁(こうろんおつばく)
意味:甲が論じると乙がそれに反対するというように、たがいにあれこれと論じ合うばかりで、議論の決着がつかないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・口喧嘩(くちげんか)
意味:激しい言葉でののしり合うこと。言い争い。口論。(出典:デジタル大辞泉)