雨後の筍
「雨後の筍のように湧いて出る」などのように使う「雨後の筍」という言葉。
「雨後の筍」は、「雨後」は音読みで、「筍」は訓読みで「うごのたけのこ」と読みます。
「雨後の筍」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「雨後の筍」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
雨後の筍の意味
「雨後の筍」には次の意味があります。
・物事が次々に発生することのたとえ。雨あがりには、筍が続々と生え出るところからいう。(出典:ことわざを知る辞典)
「成長が早い」という誤った意味で使われることがあるので、注意が必要です。「筍」はカタカナで表記されることも多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・バブルの時に雨後のタケノコのように出てきた連中とはまるで違う。
(出典:林真理子『ロストワールド』)
・一人では登れない高所や悪場も可能性が得られるところから各種各様の山岳会が雨後のタケノコのように結成された。
(出典:森村誠一『虚無の道標』)
・篠崎産業といえば、銀行方面でも絶大な信用があるといわれるのだから、この新興成金は、戦後雨後のタケノコのごとく現れ、たちまちにして消滅していった、そんじょそこらのヤミ屋さんとは、ちょっとちがったところがあったようである。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 [金田一耕助ファイル8] 横溝正史 「迷路荘の惨劇」 v0.9』)
・かつては数えるほどしかなかった中国語の教科書が、ここしばらくの間に、雨後のタケノコのように急激に増えた。
(出典:阿辻哲次『漢字のなりたち物語』)
・抽象画家は日本には雨後のタケノコのようにあるのに、なぜ交楽竜弾氏を選んだか。
(出典:遠藤周作『ぐうたら交友録』)
類語
・いたちごっこ
意味:何事でも双方が同じことを繰り返しているのを、いたちごっことよび、いまも日常のことばとして使われている。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・もぐら叩き(もぐらたたき)
意味:一か所を制圧すると別の場所で次々と新たな活動を開始するため、なかなか終わらないもののたとえ。処理するあとから次々と問題が生じて切りがないようす。(出典:デジタル大辞泉)
・入代立ち代わり(いりかわりたちかわり)
意味:多くの人が次々と出入りすること。たえず入れかわること。出はいりの激しいさま。入れかわり立ちかわり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・絶えず(たえず)
意味:とぎれることなく、引き続き行われているさま。間断なく。いつも。(出典:デジタル大辞泉)
・頻発(ひんぱつ)
意味:短期間に、同じ種類の事態が幾度も発生すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)