省察
「省察をめぐらす」などのように使う「省察」という言葉。
「省察」は、読みで「せいさつ」と読みます。
「省察」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「省察」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
省察の意味
「省察」には次の意味があります。
・自分自身をかえりみて、そのよしあしを考えること。(出典:デジタル大辞泉)
「反省」は、過去に起きた出来事などに対してややネガティブな視点から振り返りをすることを言いますが、「省察」は起こった出来事や自身が考えたことや感じたことに対して、ネガティブには考えるのというよりは、「何かの目的のために思いを巡らせ、考える」という行為そのものにフォーカスが当たっている点で異なります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これは判り切ったことのようで、よく省察して見なければならない点だ。
(出典:戸坂潤『挙国一致体制と国民生活』)
・彼等はどのように自分の置かれた立場を理解し、省察し、批判したであろうか。
(出典:宮本百合子『「どう考えるか」に就て』)
・智的生活は実にこの種の固定し終った生活の認識と省察によって成り立つのである。
(出典:有島武郎『惜みなく愛は奪う』)
・死の意義ほど自己について深く省察する人にとつて重大なる問題は少いであらう。
(出典:波多野精一『時と永遠』)
・素朴な心は解釈において単純であり、省察において粗雑である。
(出典:和辻哲郎『偶像崇拝の心理』)
類語
・考察(こうさつ)
意味:物事を明らかにするために、よく調べて考えをめぐらすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・思慮(しりょ)
意味:注意深く心を働かせて考えること。(出典:デジタル大辞泉)
・思案(しあん)
意味:あれこれと考えめぐらすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・思索(しさく)
意味:論理的に筋道を立てて考えること。(出典:デジタル大辞泉)
・熟考(じゅっこう)
意味:念を入れてよく考えること。(出典:デジタル大辞泉)