奇しくも
「奇しくも私が選ばれた」などのように使う「奇しくも」という言葉。
「奇しくも」は、訓読みで「くしくも」と読みます。
「奇しくも」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「奇しくも」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
奇しくもの意味
「奇しくも」には次の意味があります。
・偶然にも。不思議にも。(出典:デジタル大辞泉)
形容詞「くし」の連用形「くしく」に係助詞である「も」を足した言葉です。
「奇し」は、”くし”の他に”くすし・くすばし”と読むことも出来ますが、現代では”くし”以外に汎用されることは少なくなっています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・奇しくも彼女が、壁時計を見るために視線を、大きく振ったときだった。
(出典:西尾維新『伝説シリーズ 1 悲鳴伝』)
・出発日は奇しくもあの事故の日だったが、誰もそのことには触れなかった。
(出典:東野圭吾『秘密』)
・この戦争法の導入によって、奇しくも戦争は長期化することがなくなった。
(出典:池上永一『シャングリ・ラ 下』)
・当然の行為であり、奇しくもキャスターにはそれを可能にする力があった。
(出典:事務狂『fate/stay night 月姫 (TYPE-MOONクロスオーバーの最高峰、文庫5~6巻のボリューム)』)
・相手の視線から、二人が奇しくも同じことを考えているのがはっきり分った。
(出典:ルブラン/野内良三訳『ルパン対ホームズ』)
類語
・まぐれ
意味:偶然の好運にめぐまれること。まぐれあたり。(出典:デジタル大辞泉)
・期せずして(きせずして)
意味:思いがけず。偶然に。(出典:デジタル大辞泉)
・前代未聞(ぜんだいみもん)
意味:今までに一度も聞いたことがないこと。非常に珍しいこと、程度のはなはだしいことにいう。(出典:デジタル大辞泉)
・不可思議(ふかしぎ)
意味:考えも及ばない不思議なこと。怪しく異様なこと。(出典:四字熟語を知る辞典)
・未曾有(みぞう)
意味:今までに一度もなかったこと。また、非常に珍しいこと。(出典:デジタル大辞泉)