三人称
「出来事を三人称で語る」などのように使う「三人称」という言葉。
「三人称」は、「さんにんしょう」と読みます。
「三人称」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「三人称」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
三人称の意味
「三人称」には次の意味があります。
・文法範疇の一つ。話し手(書き手)・聞き手(読み手)と区別して、それら以外の人、また、物・事態について、指し示す語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
話し手を一人称、聞き手を二人称、話される話題となっている人やものを三人称と分けます。
日本語では代名詞についてだけいい、また西欧語では動詞の語形などにも関係します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それはいまとなっては三人称で語ることのできるひとつの事実にすぎない。
(出典:倉橋由美子『聖少女』)
・これは私の短編が、ほとんど三人称形式であることの原因かもしれない。
(出典:星新一『きまぐれフレンドシップ PART1』)
・空中から自分自身を見下ろす、というような三人称の視点ではなかった。
(出典:乙一『暗黒童話』)
・この場合、当然イエスは人の子を三人称で語ることとなるのである。
(出典:八木誠一『キリストとイエス―聖書をどう読むか』)
・第五短編集のなかにもそれはあるけれど、三人称で書いたのはこれが初めてである。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 新潮文庫「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」解説』)
類語
・一人称(いちにんしょう)
意味:文法で、人称の一。話し手、書き手が自分自身また自分自身を含む仲間をさす語。(出典:デジタル大辞泉)
・二人称(ににんしょう)
意味:文法で人称の一。話し手(書き手)に対して、聞き手(読み手)をさし示すもの。(出典:デジタル大辞泉)
・自称(じしょう)
意味:人称の一。一人称。(出典:デジタル大辞泉)
・代名詞(だいめいし)
意味:品詞の一。自立語のうち、特定または一般の名称を用いず、人・事物・場所・方向などを直接に指示する語。(出典:デジタル大辞泉)
・第三者(だいさんしゃ)
意味:当事者以外の人。ある一つの事柄に関係していない人。(出典:精選版 日本国語大辞典)