倒錯
「倒錯した性癖」などのように使う「倒錯」という言葉。
「倒錯」は、音読みで「とうさく」と読みます。
「倒錯」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「倒錯」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
倒錯の意味
「倒錯」には次の意味があります。
・さかさになること。また、さかさにすること。特に、本能や感情などが、本来のものと正反対の形をとって現れること。(出典:デジタル大辞泉)
「倒錯」をわかりやすく言うと、通常とは逆という意味であり、あるべき姿と真逆な状態をあらわします。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・悪趣味というよりほとんど倒錯的なこだわりを感じる記述が残っている。
(出典:竹下節子『パリのマリア』)
・それは大人でありながら子供になっている倒錯した恍惚状態であった。
(出典:ロレンス/飯島淳秀訳『チャタレイ夫人の恋人』)
・つまり歴史上の出来事が文学作品の名で呼ばれるという倒錯が生じたのである。
(出典:野口武彦『忠臣蔵 ― 赤穂事件・史実の肉声』)
・心理の揺れであるあいだは倒錯はまたすぐ元にもどってしまう。
(出典:吉本隆明『悲劇の解読』)
・しかし歴史的事件が普遍的真理の根拠だというのは倒錯ではないか。
(出典:八木誠一『キリストとイエス―聖書をどう読むか』)
類語
・倒置(とうち)
意味:さかさまに置くこと。特に、語順を普通と逆にすること。(出典:デジタル大辞泉)
・変態(へんたい)
意味:普通の状態と違うこと。異常な、または病的な状態。(出典:デジタル大辞泉)
・歪曲(わいきょく)
意味:ゆがみまがること。また、ゆがめまげること。事実などをいつわってゆがめること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・逆様(さかさま)
意味:物事の上下・左右・前後・裏表などの関係が本来の状態とは反対になっていること。また、そのさま。逆ぎゃく。さかさ。さかしま。(出典:デジタル大辞泉)