向こう見ず
「向こう見ずな発言」などのように使う「向こう見ず」という言葉。
「向こう見ず」は、訓読みで「むこうみず」と読みます。
「向こう見ず」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「向こう見ず」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
向こう見ずの意味
「向こう見ず」には次の意味があります。
・将来のことを考えずに行動すること。また、そのさまや、その人。(出典:デジタル大辞泉)
「向こう見ずな発言」は「先のことを考えずになされた発言」という意味です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・思考型人間によく見られるように啓一郎には向こうみずのところがない。
(出典:阿刀田高『花の図鑑(上)』)
・なんとも向こう見ずで大胆な男だということが知れわたっていたのだ!
(出典:ヴェルヌ/鈴木力衛訳『月世界旅行』)
・ゴドフリーは向こうみずな男で、容易に周囲の感化をうけやすいのです。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 白面の兵士』)
・女陰はそもそも向こうみず せめて頭を使わねば 昔の歌にもございます。
(出典:林真理子『本朝金瓶梅』)
・ぼくは向こう見ずな気持ちになって、手をそのままにしておいた。
(出典:コニイ『ハローサマー、グッドバイ』)
類語
・無謀(むぼう)
意味:深い考えのないこと。無計画なこと。また、そのさま。成功する見込みもないのに行動することにいう。むてっぽう。無茶。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・無鉄砲(むてっぽう)
意味:是非や結果を考えずにむやみに行動すること。また、そのさまや、そのような人。むこうみず。(出典:デジタル大辞泉)
・命知らず(いのちしらず)
意味:生命の危険をも考えずに振る舞うこと。また、その人や、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・闇雲(やみくも)
意味:闇の中で雲をつかむように、漠然としてあてのないこと。また、前後のみさかいのないこと。むりやり行なうこと。また、そのさま。むやみやたら。闇雲無性(やみくもむしょう)。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・やけ
意味:物事が自分の思いどおりに運ばなくて、どうにでもなれという気持ちになり、思慮のない乱暴な振る舞いをすること。また、そのさま。やけくそ。自暴自棄。(出典:デジタル大辞泉)