閑却
「閑却できない問題」などのように使う「閑却」という言葉。
「閑却」は、音読みで「かんきゃく」と読みます。
「閑却」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「閑却」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
閑却の意味
「閑却」には次の意味があります。
・なおざりにすること。いい加減にほうっておくこと。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、「閑却」は「いい加減に打ち捨てておくこと」を指します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・大きな具象的な変化でなければ事件と認めない彼女はその他を閑却した。
(出典:夏目漱石『道草』)
・彼はクリストフに仕事をしてもらったが、金を払うことは閑却していた。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
・一旦民衆によつて閑却された詩は、更にまた彼等の生活にまで帰つて来た。
(出典:萩原朔太郎『月に吠える』)
・東洋流の虚無思想に惑溺して、物質の世界を閑却している結果なのです。
(出典:谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』)
・私は現在の婦人界がこの方面を閑却してはいないかと思う。
(出典:与謝野晶子『平塚・山川・山田三女史に答う』)
類語
・ほったらかし
意味:うっちゃっておくこと。気をつけたり手を加えたりしないで、そのままに放置しておくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・打っ遣らかす(うっちゃらかす)
意味:物事を打ち捨てたままにしておく。ほったらかす。(出典:デジタル大辞泉)
・放置(ほうち)
意味:そのままにしてほうっておくこと(出典:デジタル大辞泉)
・放任(ほうにん)
意味:干渉しないで、したいようにさせること。(出典:デジタル大辞泉)
・等閑(なおざり)
意味:深く心にとめないさま。本気でないさま。いいかげん。通りいっぺん。かりそめ。(出典:精選版 日本国語大辞典)