万全
「万全の注意を払う」などのように使う「万全」という言葉。
「万全」は、音読みで「ばんぜん」と読みます。
「万全」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「万全」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
万全の意味
「万全」には次の意味があります。
・完全で少しの手落ちもないこと。きわめて完全なこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「万」は「すべて」、「全」は「欠点がないこと」を意味します。
「万全」は「すべてが完璧であること」を意味する二字熟語です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そこまではたいへん結構な話であったが、世の中に万全ということはない。
(出典:中谷宇吉郎『黒い月の世界』)
・あらゆる事態を想定して、すでに万全の対策がとられているのである。
(出典:三好徹『狙撃者たちの夏サミット・コンフィデンシャル』)
・これも計画のうちなら、そっちの準備だって万全かも知れんじゃないか。
(出典:高橋克彦『パンドラ・ケース よみがえる殺人』)
・わたし自身は万全を期するために、前の晩出発するほうがよいと判断した。
(出典:ドイル/永井淳訳『毒ガス帯』)
・すると空港ではその機に対して、特に万全の注意を払うことになります。
(出典:泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽 (亜愛一郎シリーズ1)』)
類語
・丁寧(ていねい)
意味:細かいところまで気を配ること。注意深く入念にすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・細心(さいしん)
意味:注意深く、細部にまで心をくばること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・綿密(めんみつ)
意味:詳しくて、細かなこと。注意がすみずみまでいきとどいて、手抜かりがないこと。また、そのさま。細心。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・細緻(さいち)
意味:こまかく密であること。きめがこまかいこと。また、そのさま。緻密。綿密。細密。精緻。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・厳密(げんみつ)
意味:きびしくすきがないさま。厳重でこまかいさま。また、厳正で公平なさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)