空元気
「空元気を出す」などのように使う「空元気」という言葉。
「空元気」は、音読みで「からげんき」と読みます。
「空元気」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「空元気」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
空元気の意味
「空元気」には次の意味があります。
・うわべだけ元気よく見せること。また、見せかけの元気。(出典:デジタル大辞泉)
精神的な疲れや肉体的な疲れなどを隠し、周りに対して無理に元気に振る舞うという意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・いい年をして若い連中の前で空元気をだしたのが、そもそものまちがいであった。(出典:遠藤周作『それ行け狐狸庵』)
・声は明るかったが、どのみち空元気にすぎないことはすぐに分った。(出典:荒俣宏『帝都物語4』)
・「空元気はほどほどにな」 皮肉っぽい笑みを浮かべているくせに、その言葉がどこまでも本気なのがよくわかった。(出典:支倉凍砂『狼と香辛料VII Side Colors』)
・空元気でも出さなければ、心まで灰色の雲に染まってしまいそうだ。(出典:奥田英朗『最悪』)
・振り返ってみれば、その元気というのはたぶん動揺を隠すための隠れ蓑、つまり空元気というやつで、まだまだ心中は平常心を取り戻していなかったのだ。(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 30 キラキラまわる』)
類語
・痩せ我慢(やせがまん)
意味:無理に我慢して、平気を装うこと。(出典:デジタル大辞泉)
・虚勢を張る (きょせいをはる)
意味:自分の弱い所を隠して、外見だけは威勢のあるふりをする。からいばりをする。(出典:デジタル大辞泉)
・張子の虎(はりこのとら)
意味:虎の形をした首の動く張り子のおもちゃ。転じて、首を振る癖のある人、また、虚勢を張る人、見かけだおしの人などをあざけっていう語。(出典:デジタル大辞泉)
・引かれ者の小唄(ひかれもののこうた)
意味:引かれ者が虚勢をはり、鼻歌などを歌うこと。転じて、敗北が明らかであるのに平静を装い、しいて余裕をみせたり、強がりを言うことのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)
・武士は食わねど高楊枝(ぶしはくわねどたかようじ)
意味:武士は貧しくて食事ができなくても、あたかも食べたかのように楊枝を使って見せる。武士の清貧や体面を重んじる気風をいう。また、やせがまんすることにもいう。(出典:デジタル大辞泉)