一瞥
「一瞥もくれない」などのように使う「一瞥」という言葉。
「一瞥」は、音読みで「いちべつ」と読みます。
「一瞥」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一瞥」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一瞥の意味
「一瞥」には次の意味があります。
・ちらっと見ること。ちょっとだけ見やること。(出典:デジタル大辞泉)
「瞥」は「ちらっとみる」を意味する漢字です。
「一瞥」で「一度だけちらっと見ること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・濃い灰色をした海を一瞥して、氷がまだやって来ていないのを確かめた。
(出典:カヴァン『氷』)
・私は種々なものに最後の一瞥を与えるため、外に椅子を出さしたのです。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・エルフはじろりと三人に一瞥をくれると、そのまま椅子に腰を下ろした。
(出典:ベニー松山『隣り合わせの灰と青春』)
・博士は聴衆の頭上に、満足の一瞥を投げながら、悠揚として語り出した。
(出典:平林初之輔『人造人間』)
・スンネはおびえたような一瞥をローヴォスへ向けて、皿に眼を落とした。
(出典:イネス/大門一男訳『蒼い氷壁』)
類語
・一目(ひとめ)
意味:一度見ること。ちょっと見ること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・窺う(うかがう)
意味:すきまなどから、ひそかにのぞいて見る。(出典:デジタル大辞泉)
・垣間見る(かいまみる)
意味:物のすきまから、こっそりとのぞき見る。また、ちらっと見る。物事のようすなどの一端をうかがう。(出典:デジタル大辞泉)
・瞥見(べっけん)
意味:ちらっと見ること。ざっと目を通すこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・打見(うちみ)
意味:ちらっと見たところ。ちょっと見。(出典:デジタル大辞泉)