陶然
「陶然とする」などのように使う「陶然」という言葉。
「陶然」は、音読みで「とうぜん」と読みます。
「陶然」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「陶然」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
陶然の意味
「陶然」には次の意味があります。
・ 酒に酔ってうっとりしているさま。転じて、うっとりと気持のよいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「陶」には「たのしむ」や「やわらぐ」という訓義があります。
「陶酔」という言葉から分かるように、お酒と密接に関連した言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その姿勢だけを見れば、まるで音楽に陶然としている男のようだった。
(出典:山田正紀『謀殺のチェス・ゲーム』)
・仲間もわたしも陶然となり、石像のように立ちつくして声もありません。
(出典:セルバンテス/荻内勝之訳『ペルシーレス(上)』)
・桐子は陶然とした思いにかられながら、自分もまた彼の手を握り返した。
(出典:小池真理子『雪ひらく』)
・かれは陶然として、ゆっくりとその光にむかって歩いていった。
(出典:バローズ/佐藤高子訳『戦乱のペルシダー』)
・自分がすべての鍵を握っている劇的なその日を夢見て幾度も陶然とした。
(出典:藤堂志津子『熟れてゆく夏』)
類語
・陶酔(とうすい)
意味:心を奪われてうっとりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・酔い痴れる(よいしれる)
意味:ある事に心を奪われてうっとりする。(出典:デジタル大辞泉)
・恍惚(こうこつ)
意味:物事に心を奪われてうっとりするさま。(出典:デジタル大辞泉)
・蕩ける(とろける)
意味:心のしまりがなくなる。(出典:デジタル大辞泉)
・うっとりする
意味:美しいものなどに心を奪われて、ぼうっとしているさま。(出典:デジタル大辞泉)