渡りに船
「渡りに船の申し出」などのように使う「渡りに船」という言葉。
「渡りに船」は、訓読みで「わたりにふね」と読みます。
「渡りに船」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「渡りに船」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
渡りに船の意味
「渡りに船」には次の意味があります。
・必要な物がそろったり、望ましい状態になったりして好都合なこと。(出典:デジタル大辞泉)
「都合の良いこと」の例えとして、よく用いられます。
「川を渡ろうとするときに、渡し場に都合よく船がいること」から、始まったことわざです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・渡りに船とはこのことではないか。
(出典:井伏鱒二『黒い雨』)
・関係者に取材したいと思っていたところなので、渡りに船と紹介してもらうことにした。
(出典:宮部みゆき『名もなき毒』)
・新しい靴を買おうと思った時にタイミングよくセールになり、これは渡りに船だと思い購入を決めた。
・僕が困っているときに君が来てくれて、まさに渡りに船だったよ。
・渡りに船ばかりを期待していると、まともな人生を送れない。
類語
・好都合(こうつごう)
意味:条件などにかなっていて、都合がよいこと(出典:デジタル大辞泉)
・思い掛けず(おもいがけず)
意味:予期しなかったのに。思いがけなく。(出典:デジタル大辞泉)
・グッドタイミング
意味:何かをするのにちょうどぴったりの頃合い。適切な時機。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・偶然(ぐうぜん)
意味:思いがけないことが起こるさま。たまたま。(出典:デジタル大辞泉)
・地獄で仏に会ったよう(じごくでほとけにあったよう)
意味:とても怖い目にあったり、たいへんな苦難におちいったときに、思いがけず助けてくれる人が現れることのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)