波及
「この事故が波及して障害をもたらせた」などのように使う「波及」という言葉。
「波及」は、音読みで「はきゅう」と読みます。
「波及」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「波及」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
波及の意味
「波及」には次の意味があります。
・波がうつっていくように、だんだんと影響の及ぶ範囲が広がっていくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
影響を与える範囲が波のように次々と広がることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・過激思想の波及ということも、世界一般を恐怖させているのであります。
(出典:喜田貞吉『特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ』)
・ドイツ自身の欠乏と混乱とがこんな所までも波及しているかという気がする。
(出典:寺田寅彦『丸善と三越』)
・もはや市中には銃声は聞えないが、急速に地方へ波及しつつあるらしい。
(出典:神西清『わが心の女』)
・このように宮廷内の審美傾向がしばしば文化全体に波及していったのである。
(出典:張競『恋の中国文明史』)
・兵乱はようやく京を離れて、分国諸領に波及しようとする兆しが見える。
(出典:神西清『雪の宿り』)
類語
・伝播(でんぱ)
意味:伝わり広まること。広く伝わること。(出典:デジタル大辞泉)
・広がる(ひろがる)
意味:範囲・規模が大きくなる。(出典:デジタル大辞泉)
・伝染(でんせん)
意味:物事の状態・傾向などが他に移って同じような状態が起こること。(出典:デジタル大辞泉)
・行渡る(ゆきわたる)
意味:広い範囲にもれなく届く。隅々にまで及ぶ。いきわたる。(出典:デジタル大辞泉)
・発展(はってん)
意味:物事が進み、ひろがっていくこと。より低い状態から、より高く、より完全に、より分化し、より豊かに、より複雑になっていくこと。勢いや力などが伸びてひろがること。盛んになること。(出典:精選版 日本国語大辞典)