横領
「会社のお金を横領する」などのように使う「横領」という言葉。
「横領」は、音読みで「おうりょう」と読みます。
「横領」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「横領」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
横領の意味
「横領」には次の意味があります。
・人の物を不法に自分のものとすること。横取りすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「横領」は、古代使われていた「押領」に由来する言葉で、兵を率いて人の領地を力ずくで奪い取ることを意味していました。そこから転じて、土地や金品などを他人から不法に横取りするようになりました。類語の「着服」とは「金品などを横取りする」という点では共通していますが、着服よりもその額がより大きな場合を指す点で異なります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・河豚は高校をでてある紙工会社に勤めていたが、父親と同じく会社の金を横領したのであった。
(出典:立原正秋『冬の旅』)
・軍の内部も腐敗し、幹部の将校が物資を横領して帰省してしまう事態さえ起こっていた。
(出典:柳田邦男『空白の天気図』)
・五億や六億の詐欺や横領では誰も驚かなくなっちゃってますよ。
(出典:高杉良『金融腐蝕列島(下)』)
・残るは商品取引の証拠金の横領容疑ですが、これも示談になっているのですよ。
(出典:森村誠一『致死眷属』)
・欲のふかいおれは、半分だけでもあの子にやるべき財宝を、みんな横領してしまった。
(出典:A・C・ドイル『新潮文庫 シャーロックホームズ全集 四つの署名』)
類語
・着服する(ちゃくふくする)
意味:不正な手段でごまかして自分のものにすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・掠め取る(かすめとる)
意味:ごまかして奪い取る。(出典:デジタル大辞泉)
・失敬する(しっけいする)
意味:他人のものを黙って自分のものにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・くすねる
意味:人の物をごまかして、こっそり自分のものとしてしまう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・横取りする(よこどりする)
意味:他人のものを横合いから奪い取ること。(出典:デジタル大辞泉)