果報は寝て待て
「果報は寝て待てと言って気長に待つ」などのように使う「果報は寝て待て」という言葉。
「果報は寝て待て」は、「かほうはねてまて」と読みます。
「果報は寝て待て」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「果報は寝て待て」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
果報は寝て待ての意味
「果報は寝て待て」には次の意味があります。
・幸運は自然とやって来るのを気長に待つべきだ、あせらないで待てばいつかは必ずやって来る、ということ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
本当によい結果は自分の力で招き寄せるものではないから、向こうからやってくるのを焦らず待っていればよいということわざです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・「若者よ、果報は寝て待て」 次の瞬間、彼はその場に倒れ息絶えていた。
(出典:バルザック・オノレ・ド『ゴリオ爺さん)
・果報は寝て待てというが、まさにそのとおりである。
(出典:中谷宇吉郎『黒い月の世界』)
・むかしから果報は寝て待てとよくいうが、寝ていて銭もうけをしたというためしはねえ。
(出典:興津要『古典落語(下)』)
・果報は寝て待て、と昔から言うくらいである。
(出典:養老孟司『脳の見方』)
・といって決して果報は寝て待てという意ではないが、己れの正しいと信ずる事さえやっておれば、名利が来ようが来まいが、あえて頓着すべきものではなかろう。
(出典:新渡戸稲造『自警録』)
・「お若いの、果報は寝て待てだってさ」 そして彼は致命の打撃でもこうむったように、にわかにどしんとその場に倒れた。
(出典:バルザック/小西茂也訳『ゴリオ爺さん』)
・さて、今日も、昨日の如く、底野は『果報は寝て待て』主義を、飛田は『犬も歩けば棒に当る』主義を実行してゐる。
(出典:岸田国士『運を主義にまかす男』)
・ただまあ、俺の大好きなあの諺「果報は寝て待て」を実践した結果、黙っていても幸運が転がり込んできた、というのではないが。
(出典:米澤穂信『古典部シリーズ3 クドリャフカの順番』)