昏睡
「昏睡状態」などのように使う「昏睡」という言葉。
「昏睡」は、音読みで「こんすい」と読みます。
「昏睡」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「昏睡」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
昏睡の意味
「昏睡」には次の二つの意味があります。
1 ぐっすりと眠りこむこと。また、意識がまったくなくなって、目ざめさせることができない状態。
2 医学で、意識障害のうち意識混濁のもっとも強いもの。呼んでもゆすっても呼びさますことができない状態。脳および髄膜疾患、伝染病や熱射病その他の中毒が原因。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
昏睡の意味①「ぐっすりと眠りこむこと。また、意識がまったくなくなって、目ざめさせることができない状態。」
「昏睡」の一つ目の意味は「ぐっすりと眠りこむこと。また、意識がまったくなくなって、目ざめさせることができない状態。」です。
「お酒に酔って昏睡する」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・この三日間ろくに眠ってはいなくても、ここまで昏睡するのも大人げない。
(出典:樋口有介『魔女』)
・水を少し口にするだけで、何も食べずにまるで昏睡しているように眠った。
(出典:大崎善生『パイロットフィッシュ』)
・そのころには八人の襲撃者のすべてが音波による昏睡から回復していた。
(出典:アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士シリーズ(全16巻) 13 竜の挑戦〔上〕』)
・あるいは、薬をのまされていたのか、いつの間にかパルバティは深い昏睡の中に落ちていた。
(出典:谷甲州『惑星CB-8越冬隊』)
・厄介な相手だから手は出すなと言ってたけど、町の昏睡事件はそいつの仕業らしい。
(出典:奈須きのこ『Fate/stay night 桜 Heavens Feel TrueEnd -春に帰る』)
昏睡の意味②「医学で、意識障害のうち意識混濁のもっとも強いもの。呼んでもゆすっても呼びさますことができない状態。脳および髄膜疾患、伝染病や熱射病その他の中毒が原因。」
「昏睡」の二つ目の意味は「医学で、意識障害のうち意識混濁のもっとも強いもの。呼んでもゆすっても呼びさますことができない状態。脳および髄膜疾患、伝染病や熱射病その他の中毒が原因。」です。
この意味では医学用語として使います。
単に深く眠っている訳ではなく、何らかの疾患などにより、強い意識障害があることを意味します。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・担当の看護婦がそれを発見したとき、彼はすでに昏睡におちいっていた。
(出典:田中芳樹『銀河英雄伝説 10 落日篇』)
・医者はこの昏睡のまま死ぬであろうと言っていたが、再び眼を覚した。
(出典:坂口安吾『長島の死』)
・昏睡のなかにありながら、彼の全身は蘇生せんがために努力しているようだ。
(出典:ルブラン/保篠龍緒訳『813(下)(ルパン・シリーズ)』)
・即死は三人だったが残りの四人も昏睡したままで一度も意識を取り戻さない。
(出典:小野不由美『十二国記 魔性の子』)
・人工呼吸器、深昏睡、脳死などといった言葉が頭のなかで渦を巻いていた。
(出典:瀬名秀明『パラサイト・イヴ』)