放漫
「放漫な経営状態」などのように使う「放漫」という言葉。
「放漫」は、音読みで「ほうまん」と読みます。
「放漫」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「放漫」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
放漫の意味
「放漫」には次の意味があります。
・でたらめで、しまりのないこと。やりっ放しでいい加減なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言えば「いい加減で、だらしないこと」という意味です。
「漫」の字には「しまりがない」や「けじめがない」、「放」の字には「思うまま」という意味があります。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・江戸時代の警察制度は現代の人の考えるほど放漫なものでなかった。
(出典:海音寺潮五郎『赤穂義士』)
・人からは放漫と思われながら、いざとなると大掴みながらに急所を押えることを知っている。
(出典:有島武郎『星座』)
・気持が放漫になって、泳ぎ着ければそれでいいし、途中でだめならそれでもいい。
(出典:梅崎春生『幻化』)
・前将軍時代の放漫財政の、尻ぬぐいと立て直しにあったといえよう。
(出典:杉本苑子『絵島疑獄(上)』)
・よく問題になる例の暴女王、お銀様の放漫を戒めんために出動したのか。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
類語
・緩い(ゆるい)
意味:大ざっぱである。生ぬるい。また、しまりがなく、だらしない。(出典:デジタル大辞泉)
・底抜け(そこぬけ)
意味:締まりのないこと。だらしがないこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・ルーズ
意味:規律がゆるいさま。態度、行動がしまりのないさま。だらしがないさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・緩慢(かんまん)
意味:物事の処理のしかたが手ぬるいこと。また、そのさま(出典:デジタル大辞泉)
・粗略(そりゃく)
意味:物事の扱い方などが丁寧でないこと。また、そのさま。ぞんざい。(出典:デジタル大辞泉)