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向付とは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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向付

「汁物を飲み干してから向付をいただく」などのように使う「向付」という言葉。

「向付」は、訓読みで「むこうづけ」と読み、「向こう付け」とも表記されます。

「向付」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「向付」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。

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向付の意味

「向付」には次の意味があります。

日本料理で膳の向こう側につける料理、また、それを盛りつける器をいう。(出典:世界大百科事典 第2版)

膳部の中央より向こう側につける料理のこと、またはそれに使われる器のことを言います。
客側から見ると、折敷(おしき)の手前左に飯椀、右に汁椀、中央(奥)側に向付、という配膳になります。
本来は膾(なます)仕立ての料理が出されていましたが、現在では刺身などが用いられており、酒の肴(さかな)になるような一品が出される傾向となっています。
懐石の場合は、一汁三菜の「一菜目」にあたる料理としてごはんと汁物と同時に出されます。
会席料理の場合は、始めか2番目に出されます。
「向詰(むこうづめ)」とも呼ばれることもありますが、厳密には向詰は焼き物のことで、本膳料理において用いられる言葉です。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・まず向付があってという、いわゆる会席のやりかたは、江戸では比較的新しいんだよ。
(出典:池波正太郎/佐藤隆介編『鬼平料理帳』)

・茶人という者になりますと、向付に五千円、なにに五百円という具合に、よい器を欲します。
(出典:北大路魯山人『日本料理の基礎観念』)

・椀ダネ、酒焼き、照り焼き、いずれもおいしく、懐石では一塩ものを細作りにして、向付に用います。
(出典:平野雅章『たべもの歳時記』)

・ロクロはひかないので、器の形は生地師にまかせるが、壺や向付などに、こなれた上絵をつけた。
(出典:服部真澄『清談 佛々堂先生』)

・弁政の折ですませる日もあろうが、きょうは、平清から板前が出張って、贅沢な向付や熱い椀を膳にして配った。
(出典:吉川英治『脚』)

類語

前菜(ぜんさい)
意味:食事の最初に出される料理。食欲を刺激するために食前酒とともに供されるのがふつうで、西洋料理のオードブル、ロシア料理のザクースカ、中国料理の前菜(チエンツアイ)などをいう。(出典:世界大百科事典 第2版)

お通し(おとおし)
意味:日本料理において、初めに出てくる少量の、酒の肴(さかな)に適するものをいう。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))

先付け(さきづけ)
意味:料理屋などで、本料理の前に酒の肴(さかな)として出す簡単な料理。また、会席料理などの日本料理で、コースの最初に出す料理にもいう。(出典:和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典)

突出し/突き出し(つきだし)
意味:料理屋などで、酒のさかなとして最初に出す、ちょっとした料理。お通し。(出典:デジタル大辞泉)

オードブル
意味:正式の西洋料理の献立で、スープの前に出る軽い料理。前菜。(出典:精選版 日本国語大辞典)

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