仕掛け
「仕掛けを施す」などのように使う「仕掛け」という言葉。
「仕掛け」は、「仕」が音読み、「掛け」が訓読みで「しかけ」と読みます。
「仕掛け」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「仕掛け」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
仕掛けの意味
「仕掛け」には次の三つの意味があります。
1 働きかけること。攻勢に出ること。また、そのしかた。
2 仕事に手をつけ始めること。また、し始めて中途であること。
3 作りこしらえた装置。また、特別な工夫をしてつくられたもの。しかけ物。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
仕掛けの意味①「働きかけること。攻勢に出ること。また、そのしかた。」
「仕掛け」の一つ目の意味は「働きかけること。攻勢に出ること。また、そのしかた。」です。
例えば、「敵が仕掛けてきた」で「敵が攻撃してきた」という意味になります。また、「友人が店に来るように仕掛ける」で「友人が店に来るように働きかける」という意味となります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・ミラディーが到着したときに仕掛けてきた最初の誘惑の手を思いだした。
(出典:アレクサンドル・デュマ/江口清訳『三銃士(下)』)
・犯人はそれを見越して仕掛けたのであるが、幸いなことに未遂に終った。
(出典:上野正彦『死体は告発する』)
・私は彼女が私の話に気をとられてその男の方へはあんまり注意しないようにと仕掛けたのだ。
(出典:堀辰雄『美しい村』)
仕掛けの意味②「仕事に手をつけ始めること。また、し始めて中途であること。」
「仕掛け」の二つ目の意味は「仕事に手をつけ始めること。また、し始めて中途であること。」です。
例えば、「修理仕掛けの床」で「修理途中の床」という意味になります。また、「料理を仕掛ける」で「料理を作り始める」という意味となります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・大尉は奥さんの手に子供衆を遺し、仕掛けた塾の仕事も半途で亡くなった。
(出典:島崎藤村『岩石の間』)
・私はいそいそとして、物を仕掛けてはついと立って勝手口の木戸を出て眺めました。
(出典:島崎藤村『旧主人』)
・私はご飯を仕掛けていたので、ゆるしてもらった。
(出典:太宰治『十二月八日』)
仕掛けの意味③「作りこしらえた装置。また、特別な工夫をしてつくられたもの。しかけ物。」
「仕掛け」の三つ目の意味は「作りこしらえた装置。また、特別な工夫をしてつくられたもの。しかけ物。」です。
この「仕掛け」をわかりやすく説明すると、「特別な工夫をして作られた装置や物」という意味があります。例えば、「鳥が飛び出す仕掛けが施された時計」は「鳥が飛び出すように工夫をして作られた時計」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・それもまた、この作品の方々に仕掛けられている蝶番のひとつだろうか。
(出典:キャロル/柳瀬尚紀訳『シルヴィーとブルーノ』)
・腰を掛けると、椅子の背がバネ仕掛けでうしろへそるようになっていた。
(出典:織田作之助『わが町』)
・でも、あんたもわたしが仕掛けた最大の落とし穴に気づいていないようね。
(出典:ロバート・アスプリン『銀河おさわがせパラダイス』)