二枚舌
「二枚舌を使う」などのように使う「二枚舌」という言葉。
「二枚舌」は、音読みで「にまいじた」と読みます。
「二枚舌」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「二枚舌」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
二枚舌の意味
「二枚舌」には次の意味があります。
・矛盾したことをいうこと。一つのことを二様にいうこと。うそをいうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「二枚舌」とは、「二枚」の「舌」をその場の状況で使い分けるイメージから、前後の話の内容を都合よく変えてしまったり、矛盾したことを平気で言ったりすることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・悪魔と取引きをする時だって二枚舌は使わねえんだ。一度口に出したらおれはやるんだ、必ずやってみせるんだからな。(出典:ストウ/山屋三郎,大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(上)』)
・一方に都合のいいことをいい、その舌の乾かぬうちに、他方に同じことをいっている。これではまったくの二枚舌である。(出典:渡辺淳一『ひとひらの雪(下)』)
・建前本音を使い分け、二枚舌を三枚にして学園生活を生き延びる。(出典:暁works『るいは智を呼ぶ4 白鞘伊代』)
・二枚舌っていう言葉があるでしょう?相手によって器用に言葉を使い分ける厭な奴のことだけど、これに似たようなことを、ほとんどの女がやっているのだ。(出典:森瑤子『非常識の美学』)
・当初は日本向けの出荷に消極的だった漁村に乗り込み、粘り腰に少々の二枚舌を加えて、二ヶ月で新しいエビ供給ルートを確立したという。(出典:米澤穂信『満願』)
類語
・一口両舌(いっこうりょうぜつ)
意味:同じ事に関して別のことをいうこと。前に言ったことと後で言ったこととが違うさま。うそをつくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・舌先三寸(したさきさんずん)
意味:口先だけでうまく相手をあしらうこと。また、その言葉。(出典:デジタル大辞泉)
・ペテン
意味:うそをついて人をだますこと。また、その手段。(出典:デジタル大辞泉)
・出任せ(でまかせ)
意味:口から出るにまかせて、いいかげんなことを言うこと。また、その言葉。(出典:デジタル大辞泉)
・まやかす
意味:まぎらかし、あざむく。うわべだけを、うまくとりつくろう。ごまかす。だます。ぺてんにかける。(出典:精選版 日本国語大辞典)