臍を曲げる
「つまらないことで臍を曲げる」などのように使う「臍を曲げる」という言葉。
「臍を曲げる」は、訓読みで「へそをまげる」と読みます。
「臍を曲げる」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「臍を曲げる」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
臍を曲げるの意味
「臍を曲げる」には次の意味があります。
・機嫌をそこねて意固地になる。また、気に入らないことがあってわざと意地悪する。(出典:デジタル大辞泉)
臍(へそ)は体の中心にあると言われています。プイと横を向くと臍の形も曲がるから、とも、臍に人の気持ちが宿っていて真っ直ぐに表現できないから臍が曲がる、とも言われます。
素直に気持ちを表現できず、かたくなな態度をとってしまうことをたとえた慣用句です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ 前夜の一件で、ゆきがすっかり臍を曲げちまい、部屋を出て来ないのだ。
(出典:菊地秀行『トレジャー・ハンター17 エイリアン黒死帝国 上』)
・ぼるにも程があるとは思ったが、下手に値切って、臍を曲げられても困る。
(出典:貴志祐介『硝子のハンマー』)
・ 当事者は本人も快く受けると思ったそうですが、どういうわけか臍を曲げてしまったんです。
(出典:泡坂妻夫『蔭桔梗』)
・浩一郎は、自分でも臍を曲げているのに気がついていた。
(出典:向田邦子『隣りの女』)
・ いつまでも文句を並べる男ではないが、いったん臍を曲げられると、扱いづらいことこのうえないのだ。
(出典:新田一実『魔鏡の姫神 霊感探偵倶楽部』)
類語
・つむじを曲げる(つむじをまげる)
意味:気分をそこねてわざと逆らい、意地悪くする。(出典:デジタル大辞泉)
・意固地(いこじ)
意味:意地を張ってつまらないことに頑固なこと。また、そのような性質やそのようなさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・一点張り(いってんばり)
意味:他の事を顧みず、その事だけを押し通すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・ひたすら
意味:そのことだけに意を用いるさま。もっぱらそれだけを行うさま。(出典:デジタル大辞泉)
・偏執(へんしゅう)
意味:かたよった考えをかたくなに守って他の意見に耳をかさないこと。へんしつ。(出典:デジタル大辞泉)