手塩にかける
「手塩にかけて育てる」などのように使う「手塩にかける」という言葉。
「手塩にかける」は、訓読みで「てしおにかける」と読みます。
「手塩にかける」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「手塩にかける」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
手塩にかけるの意味
「手塩にかける」には次の意味があります。
・みずからいろいろと世話をして大切に育てる。(出典:デジタル大辞泉)
「手塩」とは、元は食膳に置かれた不浄を払うための塩のことを言いました。
それが後に、料理の塩加減を自分でするために塩が添えられるようになりました。
このことから、自分自身で面倒を見ることを意味する慣用句になりました。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ここのこの場所で、あなたがどんなに手塩にかけられて育てられたか。
(出典:ウルフ/岡部宏之訳『新しい太陽の書4』)
・つまり綱重は、伯母の手塩にかけられて大人になったのであった。
(出典:杉本苑子『絵島疑獄(上)』)
・手塩にかけた息子が無事に大学を終り社会に出る。
(出典:中村正『元首の謀叛』)
・ けれどもこうして何人もの職人の目と手を通り、年季の入った腕の手塩にかけられると、石に命が入ってくるんですね。
(出典:斎藤隆介『職人衆昔ばなし』)
・自分が手塩にかけたモノを壊されるというのは、どういう気持ちだか分かるかい?
(出典:奈須きのこ『空の境界 (下)』)
類語
・目をかける(めをかける)
意味:注意して面倒を見る。世話をする。いたわる。ひいきにする。めがける。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・気を配る(きをくばる)
意味:さまざまに注意を払う。配慮する。(出典:デジタル大辞泉)
・丹精する(たんせいする)
意味:まごころをこめて物事をすること。心を尽くして丁寧にするさま。また、心をこめてしあげたり育てたりしたものごと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・手をかける(てをかける)
意味:人手を費やす。手数をかける。手間をかける。(出典:デジタル大辞泉)
・世話を焼く(せわをやく)
意味:他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。(出典:デジタル大辞泉)