鬱血
「傷ついて鬱血した皮膚」などのように使う「鬱血」という言葉。
「鬱血」は、音読みで「うっけつ」と読みます。
「鬱血」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「鬱血」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
鬱血の意味
「鬱血」には次の意味があります。
・静脈の血液の流れが悪くなって滞留する状態。静脈の一部が強く圧迫されたり、詰まったりして局所的に起こることが多いが、心臓の力が弱まって全身的に起こることもある。(出典:デジタル大辞泉)
腫瘍などによる圧迫や血栓によって静脈の血流が悪くなり、溜まっている状態を指して用います。
局所的な鬱血はチアノーゼを引き起こし、皮膚や粘膜が暗紫色・暗青色になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・頭の中が鬱血して爆発しそうになるのを、うめき声で少しずつ逃がした。
(出典:塚本晋也『悪夢探偵』)
・のどのまわりに残っている鬱血したような紐の痕がそれを物語っている。
(出典:横溝正史『金田一耕助全集 横溝正史 「死仮面」』)
・あまりの加速に、夜主の全身の血がゆっくりと背中に鬱血していく。
(出典:ろくごまるに『封仙娘娘追宝録2 嵐を招く道士たち』)
・そういう妙に鬱血したような気分で、私は何気なくふと自動車の窓から外を眺めた。
(出典:横溝正史『真珠郎』)
・白い皮膚の上に、うす青い痣のようなものが一点に鬱血していた。
(出典:松本清張『点と線』)
・帰りのロッカールームで鬱血した皮膚をさすることも少なくなった。
(出典:森絵都『DIVE!! 上』)
・血を洗うと、皮膚に小さな木の葉に似た鬱血の斑点がみえるだけであった。
(出典:山田風太郎『忍法落花抄』)
・両手を前に組みあわせているが、注意して見ると、その指が鬱血するくらいの強さだった。
(出典:松本清張『波の塔(下)』)