仮称
「仮称をつける」などのように使う「仮称」という言葉。
「仮称」は、音読みで「かしょう」と読みます。
「仮称」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「仮称」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
仮称の意味
「仮称」には次の意味があります。
・正式な呼び名がない場合に、仮に名づけておくこと。また、その仮の名。(出典:デジタル大辞泉)
「仮称」をわかりやすく言うと「正式な名前がない時に、仮に名前をつけること」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・まだ仮称にすぎないし、ほかにもいろいろロクでもない事情があって公にはされていないからね。
(出典:鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 1』)
・実は宇土半島の北側を福の海と仮称したが、南側の海についても同様のことがいえるのである。
(出典:宮崎康平『まぼろしの邪馬台国』)
・透明なユーモアと私は仮称しているが、そんな感じである。
(出典:星新一『きまぐれ博物誌・続』)
・これはいわばマルサスの手を離れて後のマルサス説の第十九世紀的存在状態なのであり、私がマルサス説の第二期と仮称するところのものである。
(出典:吉田秀夫『人口論』)
・現在本船は〈リフト〉北縁部にあり、ジール・タンと仮称した惑星に接近中。
(出典:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた(ハヤカワ文庫SF)』)
・私はこれを本能的生活と仮称しよう。
(出典:有島武郎『惜みなく愛は奪う』)
・ま、議員秘書連合ちゅうのんは、ぼくが思いついた仮称やさかいな。
(出典:松本清張『迷走地図(上)』)
・ノナウスムと警察が仮称している一派のものだとトーリアスは見ているが、三人はまるっきり黙秘を通していて話にならない。
(出典:野梨原花南『マルタ・サギーは探偵ですか?「ドクトル・バーチに愛の手を」』)