駅伝
「箱根駅伝」などのように使う「駅伝」という言葉。
「駅伝」は、音読みで「えきでん」と読みます。
「駅伝」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「駅伝」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
駅伝の意味
「駅伝」には次の二つの意味があります。
1 「駅伝競走」の略
2 古代の駅制と伝馬(てんま)の制度。律令制では、唐の制度にならって、官吏のために駅には駅馬を備えて宿舎の便宜をはかり、郡家(ぐうけ)には伝馬を置いた。駅伝制。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
駅伝の意味①「駅伝競走の略。」
「駅伝」の一つ目の意味は「駅伝競走の略」です。
駅伝は、江戸時代の飛脚がルーツとされ、長い区間を複数人で走り、タイムを競う競技です。
日本では、1月の箱根駅伝をはじめ、根強い人気があります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・駅伝はうちのそばの国道を通るので、どうやら二人で見に行ったらしい。
(出典:山本文緒『日々是作文(ひびこれさくぶん)』)
・駅伝にもマラソンにも知識はないが、ぼくと走って負けるような実力ではないということだ。
(出典:樋口有介『11月そして12月』)
・今年ももう駅伝の季節だ。
・駅伝部の指導者として、秀でた成績を残した。
・箱根駅伝には、毎年20校と、関東学生連合チームが出場している。
駅伝の意味②「古代の駅制と伝馬(てんま)の制度。」
「駅伝」の二つ目の意味は「古代の駅制と伝馬(てんま)の制度」です。
分かりやすく言うと、古代における中央政府と地方との連絡・通信のために設けられた交通制度のことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・駅伝用の馬の数は多いが、皇帝の負担にならない。
(出典:マルコ・ポーロ/青木富太郎訳『東方見聞録』)
・長い駅伝を通ってきたらしく、飛脚文は手ずれや雨じみでボロボロになっていた。
(出典:吉川英治『宮本武蔵』)
・わたしたちの駅伝馬車は、凍てついた大地を矢のように走った。
(出典:アーヴィング/吉田甲子太郎訳『スケッチブック』)
・インドの駅伝には二種あって、ウラークは、四マイルごとに配置された国王所有の馬によるものであり、もう一つは飛脚によるものである。
(出典:バットゥータ/前嶋信次訳『三大陸周遊記』)
・普通の旅行だと、一日平均十里になっていたから、十五日はかかるところだ。当時は急使駅伝の組織ができていた。
(出典:大宅壮一『炎は流れる1 明治と昭和の谷間』)