一徹
「忠義一徹」などのように使う「一徹」という言葉。
「一徹」は、音読みで「いってつ」と読みます。
「一徹」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一徹」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
一徹の意味
「一徹」には次の意味があります。
・ 思いこんだことはひと筋に押し通すこと。かたくななこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
「頑固一徹」であれば、「自分の決めたことを曲げずに、押しとおすこと」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・僕は一徹ですからひどい思い間違いをしていないとも限りませんから。
(出典:有島武郎『或る女』)
・主人には主人の考えがあってのこと、一徹なかたでございますからな。
(出典:福永武彦『風のかたみ』)
・自分ももう歳だと、あの一徹な庭師が弱気な口をきくようになっていた。
(出典:柄刀一『400年の遺言 死の庭園の死』)
・運命はそのひそかな一徹な忍耐をもって、両者を徐々に近づけていた。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)
・だが、祖母に似て性格は激しく、一徹な人で好き嫌いもハッキリしている。
(出典:三浦綾子『塩狩峠 道ありき』)
・いかに短気一徹な米友でも、これはちょっと相手に取り難いものがあるのです。
(出典:中里介山『大菩薩峠』)
・その陰鬱で一徹な性格も、この青年に対しては父親のような心遣いを示すのである。
(出典:アレクサンドル・デュマ/江口清訳『三銃士(下)』)
・その一徹がまたお前の持っている外のものにない気質だ。
(出典:子母沢寛『父子鷹 上巻』)