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張りぼてとは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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張りぼて

「張りぼての人形」などのように使う「張りぼて」という言葉。

「張りぼて」は、訓読みで「はりぼて」と読みます。

「張りぼて」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「張りぼて」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。

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張りぼての意味

「張りぼて」には次の二つの意味があります。

1 張り子で、ある形に作ったもの。張り子作りの芝居の小道具など。ぼて。
2 (比喩的に)見かけは立派だが、実質の伴わないことやもの。張り子の虎。
(出典:デジタル大辞泉)

それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。

張りぼての意味①「張り子で、ある形に作ったもの。張り子作りの芝居の小道具など。ぼて。」

「張りぼて」の一つ目の意味は「張り子で、ある形に作ったもの。張り子作りの芝居の小道具など。ぼて。」です。

言い換えると、とある形を模して作った紙製の造形物のことです。
「張り子」とは、木や竹で造形を模した枠を作り、それに紙を貼り付けて形をつくる方法と、粘土などで作られた型に紙を貼り重ねて乾燥させたのちに型を抜き取る方法がありますが、ここでは前者の意味になります。
芝居の小道具・大道具に使われることもあれば、お祭りやイベントで人気のキャラクターなどを模して作るといったこともあります。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・側に寄ってみるとハリボテの怪物は思ったよりもずっと大きかった。
(出典:)

・つい先ほどまで人間と思われていたそれは、紙で作られた張りぼての人形でしかなかった。
(出典:三雲岳斗『カーマロカ 将門異聞』)

・ただモミの木のハリボテをかぶってぼーっと突っ立っているだけの役である。
(出典:志瑞祐『やってきたよ、ドルイドさん!』)

・大きな張りぼての玉を押し転がしながら走るそのゲームには、榊は出なかったが、亜左美は青組の三番手として出場した。
(出典:多島斗志之『症例A』)

類語

張子/張り子(はりこ)
意味:木や竹組みの上に紙を何枚も張り重ねて作ったもの。張りぼて。(出典:デジタル大辞泉)

張物/張り物(はりもの)
意味:芝居の大道具の一つ。木の枠に紙や布を張って、屋台の壁や背景の絵などを画いたもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)

人形(にんぎょう)
意味:木や紙、土などで人間の形をまねて作ったもの。(出典:デジタル大辞泉)

作り物(つくりもの)
意味:人の手で実物そっくりに作ったもの。まがいもの。人造物。模造品。(出典:デジタル大辞泉)

張りぼての意味②「(比喩的に)見かけは立派だが、実質の伴わないことやもの。張り子の虎。」

「張りぼて」の二つ目の意味は「(比喩的に)見かけは立派だが、実質の伴わないことやもの。張り子の虎。」です。

言い換えると、一見立派に見えても、実際には大したことがないもののことです。
①の意味で説明した通り、「張りぼて」は何かを模して作られたものであり、見た目は立派にできていても、その構造上中身が空洞であることから、比喩表現として使われるようになりました。
張り子細工の工芸品として有名な「張り子の虎」は、首を振る癖のある人、また、虚勢を張る人、見かけだおしの人などをあざけっていう言葉として使われることがあります。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・自分の生きている世界こそ、張りぼてだった。
(出典:篠田節子『カノン』)

・体重六十キロにも満たない真九郎など、その威力の前ではハリボテの人形も同然。
(出典:片山憲太郎『紅 第2巻 ~ギロチン~』)

・双方が猫を被って無理して作った張りぼての世界でも、時間が経てばそれが本物らしく輝く日もくるかもしれない、と。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 10 レイニーブルー』)

・だからこのそばにいる母親も、じつは表面だけが精巧に出来たハリボテで、裏はガランドウなんじゃないだろうか。
(出典:赤瀬川原平『優柔不断術』)

類語

見掛け倒し(みかけだおし)
意味:外見はすぐれているが、実質は劣っていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)

名許り(なばかり)
意味:名目に内容がともなわないこと。形式は整っているが実質がともなわないこと。(出典:デジタル大辞泉)

看板倒れ(かんばんだおれ)
意味:見せかけだけで、内容がそれに伴わないこと。(出典:デジタル大辞泉)

羊頭を掲げて狗肉を売る(ようとうをかかげてくにくをうる)
意味:羊の頭を看板に出し、実際には犬の肉を売る。外見と内容が違うこと、見せかけが立派でも実質がそれに伴わないことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)

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