板につく
「芸が板につく」などのように使う「板につく」という言葉。
「板につく」は、訓読みで「いたにつく」と読みます。
「板につく」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「板につく」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
板につくの意味
「板につく」には次の意味があります。
・経験を積んで、動作や態度が地位・職業などにしっくり合う。(出典:デジタル大辞泉)
つまり、その役職や仕事などに慣れている様子を表す言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・僕がすっかり店の従業員ぶりが板につきだした頃の事だった。
(出典:辻内智貴『セイジ』)
・五年もすれば旅暮らしも板につくだろう。
(出典:恒川光太郎『夜市』)
・今では標準語も板につき、話し相手に関西出身だと悟られることはほとんどない。
(出典:坂東眞砂子『蛇鏡』)
・ようやく板につきかかってきた手話で、ただしスピードはきわめてゆっくり、話しかけてみた。
(出典:宮部みゆき『龍は眠る』)
・隠居が板につき過ぎて、生きとるのが億劫になってきだしたところなんだ。
(出典:平安寿子『素晴らしい一日』)
類語
・様になる(さまになる)
意味:それにふさわしいようすになる。(出典:デジタル大辞泉)
・熟る(こなる)
意味:物事に熟練する。無理なく思いのままに運用できるようになる。(出典:デジタル大辞泉)
・熟達(じゅくたつ)
意味:ある物事に熟練して上手になること。(出典:大辞林 第三版)
・習熟(しゅうじゅく)
意味:繰り返しけいこをして上手になること。なれてよく覚えること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・堂に入る(どうにいる)
意味:学問や技術が奥深いところまで進んでいる。転じて、物事に習熟している。身についている。(出典:大辞林 第三版)