起死回生
絶体絶命の大ピンチの時、起死回生の作戦で切り抜けるというストーリーをよく耳にしますよね。
また、野球で負けが決まりかけた時に「起死回生のホームランが飛び出した」などと言われます。
どうやらピンチを脱するときに使われる「起死回生」という言葉、「きしかいせい」と読みます。
この記事では「起死回生」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながらわかりやすく解説していきます。
起死回生の意味
起死回生には次の意味があります。
・今にもだめになりそうな物事を、立て直すこと。 (出典:大辞林)
「起死回生」を分かりやすく言うと「ピンチの状態を脱出するために対策を立てた結果、回復すること」です。
例えば、「業績は悪くなる一方だったが、社長の起死回生の策でV字回復を成し遂げた」という場合は「業績は悪くなる一方だったが、社長の立て直し策のおかげでV字回復を成し遂げた」といった意味になります。
「起死」も「回生」も「死にそうな人を生き返らせる」という意味があり、中国の北宋時代の書物に出てくる話が由来とされています。
具体的な使い方や例文は下記の通りです。
使い方・例文
・なんとか起死回生の手を打たなければならないところへ追いこまれている。 (出典:坂口安吾『現代忍術伝』)
・ 一発逆転の起死回生に向けて意地でも守り通している資産があるはずだ。 (出典:支倉凍砂『狼と香辛料Ⅱ (電撃文庫)』)
・どないに事業が順調に行ってたかて企業やさかいどこでつまずきが起るかわからへんがな。 そのとき、わしの蒐めた一流古美術品が起死回生の神になりますのや。 (出典:松本清張『空の城』)
・ついていくだけでも精一杯の相手に対し、起死回生の一撃など放てない。 (出典:鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第16巻』)
・少年・少女層を中心にサッカーの競技人口は増えたものの、プロリーグは人気を失っていた。そこで、起死回生策として、ワールドカップ開催が計画されたのだ。 (出典:後藤健生『ワールドカップの世紀』)