合成皮革
「合成皮革の靴」などのように使う「合成皮革」という言葉。
「合成皮革」は、音読みで「ごうせいひかく」と読みます。
「合成皮革」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「合成皮革」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
合成皮革の意味
「合成皮革」には次の意味があります。
・基材に織布または不織布を用い、これにポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタンなどの合成樹脂を組み合わせて天然皮革に似せたものの総称。人造皮革。ビニール‐レザー。(出典:精選版 日本国語大辞典)
動物の皮を用いる「本革」ではなく、本革に似せて人工的に作られた革のことです。
「人造皮革(じんぞうひかく)」や「人工皮革(じんこうひかく)」や「擬革(ぎかく)」などとも言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その頭上で黒ずくめの男が合成皮革の丸ソファを振り上げている。
(出典:加藤実秋『インディゴの夜 全4話』)
・遺品の黒い合成皮革の安っぽい小銭入れには、十円玉六枚と一円玉四枚。
(出典:篠原勝之『骨風』)
・これは一種の合成皮革であるが、従来のナイロンレザーのように気温の影響をほとんど受けない。
(出典:森村誠一『自選恐怖小説集 人間溶解』)
・この雪の中を、傘もささずに歩いたのだろう、合成皮革と思われる茶色い靴も、水を吸って先の方から変色していた。
(出典:乃南アサ『凍える牙』)
・合成皮革の鞄を脇に挟み、ずれかけた眼鏡を片手で押さえている。
(出典:喬林知『今日からマ王 第16巻 箱はマのつく水の底!』)
類語
・本革、本皮(ほんかわ)
意味:人造ではない、本物の革。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・なめし革、なめし皮(なめしがわ)
意味:動物からはいだ皮膚を皮といい,皮から毛を除き,なめしてえられる製品をなめし革という。(出典:世界大百科事典)
・レザー
意味:本来はなめし皮の意であるが,日本では加工織物 (leather cloth) の意味で用いられ,特に模造皮革をさす。(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)
・バックスキン
意味:鹿皮、鹿皮のなめし革の表面(銀面)を毛ごとすき落とし、毛羽立てて柔らかい手触りに仕上げたもの。衣服や手袋、靴、袋物などに使われる。近年、羊皮や牛皮などの裏面を毛羽立てたなめし革(スエード)をもバックスキンといい、用語に混同がみられる。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))
・スエード
意味:子牛、山羊、羊などの皮をクロムなめしし、皮面をサンドペーパーなどでこすって毛羽立てて、ビロードのように柔らかい手触りに仕上げた革。(出典:日本大百科全書(ニッポニカ))