頓服
「頓服薬を飲む」などのように使う「頓服」という言葉。
「頓服」は、音読みで「とんぷく」と読みます。
「頓服」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「頓服」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
頓服の意味
「頓服」には次の意味があります。
・対症療法として薬を何回にも分けずに1回に飲むこと。発熱や痛みなどの症状が出た際に、薬を1回だけ飲むこと。また、その薬。1回服用する分を一包にしてある。頓服薬。(出典:デジタル大辞泉)
一日に何回と決めずに、症状が現れたときにその都度薬を飲むことを言います。
「頓」は「その場に応じる」、「服」は「薬を飲む」という意味を持ちます。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・今夜頓服を飲んで、なるべく風にあたらないようにしろという注意である。
(出典:夏目漱石『三四郎』)
・主治医の診察を受けた際に、頓服として出してもらったのだ。
(出典:竹宮ゆゆこ『ゴールデンタイム 8 冬の旅』)
・枕もとに持って来ておいた水で頓服剤を飲んだ。
(出典:田山花袋『田舎教師』)
・気をせかして妙な頓服や注射なんかしはしないか。
(出典:宮本百合子『獄中への手紙』)
・喘息の発作が起きたときの用意に頓服を貰っている。
(出典:泡坂妻夫『死者の輪舞』)
類語
・服用(ふくよう)
意味:薬を飲むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・内服(ないふく)
意味:薬を飲むこと。内用。(出典:デジタル大辞泉)
・投薬(とうやく)
意味:病気や症状に応じて薬を与えること。(出典:デジタル大辞泉)
・経口(けいこう)
意味:口を通ること。薬などを口から与えること。(出典:デジタル大辞泉)
・加療(かりょう)
意味:病気やけがの手当てをすること。治療すること。治療。(出典:精選版 日本国語大辞典)