殺伐
「空気が殺伐としている」などのように使う「殺伐」という言葉。
「殺伐」は、音読みで「さつばつ」と読みます。
「殺伐」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「殺伐」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
殺伐の意味
「殺伐」には次の意味があります。
・殺気が感じられるさま。また、うるおいやあたたかみの感じられないさま。(出典:デジタル大辞泉)
「殺」は「ころす・命を取る」、「伐」は「敵を切り殺す」という意味があり、「殺伐」で「殺気がある様子」や「人を殺傷するような気風」を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・人殺しのような殺伐なことに頭を使うのはもってのほかだというんです。
(出典:鮎川哲也『戌神はなにを見たか』)
・妙に殺伐とした空気が流れる中、ルウは腕を組むと、改めて口を開いた。
(出典:清野静『時載りリンネ!1 はじまりの本』)
・この殺伐とした雰囲気ふんいきのどこに、笑える要素ようそがあるというのだろうか。
(出典:橋本紡『半分の月がのぼる空6』)
・普段啓一がいる場所だし、なによりあの殺伐とした雰囲気がたまらない。
(出典:林亮介『和風Wizardry純情派 2』)
・小夜子の部屋に行ったとき、独房かと思うほどの殺伐とした内装だった。
(出典:池上永一『シャングリ・ラ 上』)
類語
・殺風景(さっぷうけい)
意味:眺めに情趣が欠けていたり単調だったりして、見る者を楽しませないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・荒まし(あらまし)
意味:自然の状態や、人の振る舞い・性格が荒々しい。(出典:デジタル大辞泉)
・険しい(けわしい)
意味:怒りや緊張のため、言葉や表情などがとげとげしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・荒涼(こうりょう)
意味:風景などが荒れはててものさびしいこと。気持が荒れすさんでいること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・地獄絵図(じごくえず)
意味:きわめてむごたらしい状況になること。(出典:デジタル大辞泉)