勧善懲悪
「勧善懲悪の世界観」などのように使う「勧善懲悪」という言葉。
「勧善懲悪」は、音読みで「かんぜんちょうあく」と読みます。
「勧善懲悪」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「勧善懲悪」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
勧善懲悪の意味
「勧善懲悪」には次の意味があります。
・善をすすめ、悪をこらしめること。(出典:大辞林 第三版)
「勧善懲悪」をわかりやすく言うと、「善い行いや善い行いをする人を褒め、悪い行動や悪い行動をする人を懲らしめる」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・僕は曲亭馬琴さへも彼の勧善懲悪主義を信じてゐなかつたと思つてゐる。
(出典:芥川竜之介『澄江堂雑記』)
・勧善懲悪の探偵物語なら、殺人ではない事件をテーマにしてもよさそうなのに。
(出典:有栖川有栖『朱色の研究』)
・かくのごとく広意に解すれば勧善懲悪の資料に供するものは皆教育である。
(出典:新渡戸稲造『教育家の教育』)
・その時僕は七歳だったが、勧善懲悪に終わらない物語を読むのは初めてだったのだ。
(出典:大槻ケンヂ『のほほん雑記帳』)
・勧善懲悪の思想は、あれはむなしい人間の願いに過ぎないのか。
(出典:三浦綾子『続泥流地帯 草のうた』)
類語
・破邪顕正(はじゃけんしょう)
意味:邪説・邪道を打ち破って、正しい道理を明らかにすること。(出典:デジタル大辞泉)
・天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず)
意味:天網は目があらいようだが、悪人を漏らさず捕らえる。天道は厳正で悪事をはたらいた者には必ずその報いがある。(出典:大辞林 第三版)