逐一
「情報を逐一知らせる」などのように使う「逐一」という言葉。
「逐一」は、音読みで「ちくいち」と読みます。
「逐一」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「逐一」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
逐一の意味
「逐一」には次の意味があります。
・順を追って、一つ残らず取り上げていくこと。何から何まで全部。いちいち。(出典:デジタル大辞泉)
一つ一つ詳しく順をたどっていくことを意味し、副詞的にも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この度こんな法律ができましたと、逐一報せに来てくれる訳ではないのだ。
(出典:京極夏彦『鉄鼠の檻』)
・王女が頻繁に現れて、細かい情報を逐一教えてくれるせいもあったろう。
(出典:茅田砂胡『デルフィニア戦記 第6巻 「獅子の胎動」』)
・元女房からは毎晩のように電話がかかってきて、逐一報告するのです。
(出典:色川武大『離婚』)
・決心を破って彼女は入札の一件を逐一ジュリアンに打ち明けてしまった。
(出典:スタンダール/大久保和郎訳『赤と黒(上)』)
・決起部隊の駐屯地の将校たちとは、西田が電話で逐一連絡をとっている。
(出典:豊田穣『革命家・北一輝』)
類語
・逐次(ちくじ)
意味:一つ一つ順を追って事が行なわれること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・順次(じゅんじ)
意味:順序にしたがって次々に物事をすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・余すところなく(あますところなく)
意味:残らず。すべて。(出典:デジタル大辞泉)
・悉く(ことごとく)
意味:多くの事物が例外なく一致するさま。すべて。全部。残らず。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・洗い浚い(あらいざらい)
意味:何から何まで全部。すべて残らずに。ことごとく。ありったけ。(出典: 精選版 日本国語大辞典 )