美人薄命
「彼女は美人薄命である」などのように使う「美人薄命」という言葉。
「美人薄命」は、音読みで「びじんはくめい」と読みます。
「美人薄命」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「美人薄命」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
美人薄命の意味
「美人薄命」には次の意味があります。
・とかく美人に生まれついた人はふしあわせだったり、病弱で早死にしたりすることが多いということ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
由来は中国の詩にある薄命佳人からで。
美しく生まれた人の人生は儚いものであると記していて、この詩から美人は病弱であったり不幸せな道をたどる、短命な人が多いという意味を持つ美人薄命という言葉が誕生しました。
薄命は不幸せを指しており短命を意味しています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・というのは美人薄命といわれることがあるからだった。
(出典:林田清明『夏の日の夢』)
・美人薄命というが、オレがキリョウ好みをしたのが思えば失敗のモトであろう。
(出典:坂口安吾『明治開化 安吾捕物』)
・あまりこのご容貌きりょうの美いのはどちらかと申しますとご運が悪いのだそうで、美人薄命などと申します。
(出典:今村信雄編『古典落語(上)』)
・ところがあなた、美人薄命とはよういうたもんです。
(出典:井上光晴『丸山蘭水楼の遊女たち』)
・天満坊が、健康斎に、小声で、 「美人薄命じゃな」 と、云った。
(出典:柴田錬三郎『われら九人の戦鬼 (上)』)
・美人薄命というが、強あながち女にのみ限らず、玲瓏玉れいろうたまの如き美男の眉山もまた頗る薄命であった。
(出典:内田魯庵『硯友社の勃興と道程』)
・このように優れたスピードを持ち、血統的な含みもありながらの早世は「美人薄命」と惜しまれた。
類語
・佳人薄命(かじんはくめい)
意味:美人はふしあわせな場合が多いということ。また、病弱だったりして早死にすることが多い意にもいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・才子多病(さいしたびょう)
意味:才子はからだが弱く、何かというと病気になること。(出典:デジタル大辞泉)