朴念仁
「朴念仁では無かった」などのように使う「朴念仁」という言葉。
「朴念仁」は、音読みで「ぼくねんじん」と読みます。
「朴念仁」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「朴念仁」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
朴念仁の意味
「朴念仁」には次の意味があります。
・無口で愛想のない人。また、がんこで物の道理のわからない人。わからずや。(出典:デジタル大辞泉)
「朴念仁」の「朴」は「素朴な」、「念」は「考え」、「仁」は「人」を表していて、「素朴な考えの人」などの意味で、主に男性に対して使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・結局、父は朴念仁ではなかったのだ。母が前妻への嫉妬を胸の底に抱えて生きてきたことを、わかっていたのだろう。(出典:坂東眞砂子『蛇鏡』)
・たべもののおいしさまずさのわからない朴念仁ですが、あのときはおいしいと思った。(出典:井上ひさし『コメの話』)
・人間的には派手なところのない朴念仁、とも一見みられる男のどこに、これだけの気骨があったのか。(出典:半藤一利『聖断 天皇と鈴木貫太郎』)
・並んでいると、朴念仁の彼でさえ、落ち着かない気分になるほどなのだ。(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!短編集6 あてにならない六法全書?』)
・中根は一橋家つきの用人として長くつとめ、金銭や俸禄を扱う裏方の仕事をし、朴念仁と陰口をきかれているくらい地味な事務官である。(出典:半藤一利『幕末辰五郎伝』)
類語
・無愛想(ぶあいそう)
意味:愛想のないこと。そっけなくつっけんどんなこと。(出典:デジタル大辞泉)
・無関心(むかんしん)
意味:関心がないこと。興味を持たないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・分からず屋(わからずや)
意味:物事の道理がわからないこと。わかろうとしないこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・唐変木(とうへんぼく)
意味: 気のきかない人物やわからずやなどをののしっていう語。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・けんもほろろ
意味:無愛想に人の頼みや相談事を拒絶して、取りつくしまもないさま。つっけんどんなさま。冷然としたさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)