静寂
「静寂を破る」などのように使う「静寂」という言葉。
「静寂」は、音読みで「せいじゃく」と読みますが、「しじま」と読ませることもあります。
「静寂」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「静寂」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
静寂の意味
「静寂」には次の意味があります。
・静かでひっそりしていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
静寂とは、音一つなく静まり返った様子のことで、漢字の意味から分かるように静かで寂しい様子を表す言葉です。
「せいじゃく」の他、「しじま」「じょうじゃく」「せいせき」などと読ませる場合もあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一瞬の静寂があってから、中から子どものかすかな声が聞こえてきた。
(出典:オー・ヘンリー『罪と覚悟』)
・その音が静寂の中に消えたと思うと、次の瞬間、すべての音が戻ってきた。
(出典:板東眞砂子『蟲』)
・雪と静寂だけが、ここではただ一つの存在であり、世界それ自体であった。
(出典:光瀬龍『墓碑銘二〇〇七年』)
・ビルの中の薄暗い静寂さが夢だったのかと思わせるほど、外は明るい。
(出典:乙一『失踪HOLIDAY』)
・我々日本人の大部分は家庭という文字の内容に静寂の観念を要求しているようだ。
(出典:伊丹万作『映画の普及力とは』)
類語
・静粛(せいしゅく)
意味:静かにして、慎んでいること。ひっそりと静まりかえっていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・閑寂(かんじゃく)
意味:もの静かで趣のあること。ひっそりとして落ち着いていること。また、そのさま。かんせき。(出典:デジタル大辞泉)
・閑静(かんせい)
意味:もの静かで、落ち着いたさま。(出典:デジタル大辞泉)
・静黙(せいもく)
意味:静かにして黙っていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・沈静(ちんせい)
意味:落ち着いて静かな・こと(さま)。また、そうなることをもいう。(出典:大辞林 第三版)