端正
「端正な顔立ち」などのように使う「端正」という言葉。
「端正」は、音読みで「たんせい」と読みます。
「端正」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「端正」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
端正の意味
「端正」には次の二つの意味があります。
1 姿・形や動作などが正しくてきちんとしていること。また、そのさま。
2 顔だちなどが美しく整っていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
端正の意味①「姿・形や動作などが正しくてきちんとしていること。また、そのさま。」
「端正」の一つ目の意味は「姿・形や動作などが正しくてきちんとしていること。また、そのさま。」です。
「所作などにだらけたところがなく、ちゃんとしている」という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この若者はたいそう端正な様子をしているし、身分も非常に高そうだ。
(出典:佐藤正彰訳『千一夜物語』)
・田舎者の自分の目には先生の家庭がずいぶん端正で典雅なもののように思われた。
(出典:寺田寅彦『夏目漱石先生の追憶』)
・ただし似ているのは顔だけで、足は非の打ちどころのないほど端正であった。
(出典:ヴェルヌ/木村庄三郎訳『80日間世界一周)
類語
・整然(せいぜん)
意味: よく整ったさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・秩序(ちつじょ)
意味: 物事を行う場合の正しい順序・筋道。(出典:デジタル大辞泉)
・整斉(せいせい)
意味: よく整いそろうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・折り目正しい(おりめただしい)
意味:態度がきちんとしているさま。(出典:デジタル大辞泉)
端正の意味②「顔だちなどが美しく整っていること。また、そのさま。」
「端正」の二つ目の意味は「顔だちなどが美しく整っていること。また、そのさま。」です。
「顔つきなどの見た目が優れている」という意味です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・大理石の彫像のように端正な顔が、何の表情も浮かべずに俺を見ている。
(出典:ベニー松山『風よ。龍に届いているか(上)』)
・客人は三十歳ぐらいのすらりとした女性で、端正な顔立ちの美人である。
(出典:西風隆介『神の系譜V 竜の時間 亡国』)
・「ドアをしめて、ぼうや」かれを待っていた端正な顔だちの男が言った。
(出典:エディングス『ベルガリアード物語1 予言の守護者』)
・彼の端正な顔だちには母親の比類のない美しさが多分に現われていた。
(出典:バローズ/小笠原豊樹訳『火星の女神イサス 火星の合成人間』)
類語
・端麗(たんれい)
意味: 姿・形が整っていて、美しいこと 。(出典:デジタル大辞泉)
・器量好し(きりょうよし)
意味: 顔だちが美しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・魅力的(みりょくてき)
意味:人の心をひきつけるような力のある さま。(出典:デジタル大辞泉)
・眉目秀麗(びもくしゅうれい)
意味:容貌のすぐれて美しいこと。(出典:デジタル大辞泉)