青天井
「青天井のもと」などのように使う「青天井」という言葉。
「青天井」は、訓読みで「青天井」と読みます。
「青天井」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「青天井」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
青天井の意味
「青天井」には次の二つの意味があります。
1 青い空を天井に見立てた語。
2 取引で、相場の上限のないこと。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
青天井の意味①「青い空を天井に見立てた語。」
「青天井」の一つ目の意味は「青い空を天井に見立てた語。」です。
簡単に言うと、青空のことです。
屋根がなく、空が見えることを比喩的に表すときにも用いられます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それを出ると青天井の便所があったりする。
(出典:上村松園『余齢初旅』)
・天道様てんどうさまと青天井以外に頭を下げる者がないから自然、物事がそうなるんだ。
(出典:夢野久作『超人鬚野博士』)
・これが私の青天井に寝た一番高所のレコードとなりました。
(出典:加藤文太郎『単独行』)
・そして、ふたたび青天井のもとに立ったとき、あたりに蟻の姿ひとつなかった。
(出典:バローズ/関口幸男訳『恐怖のペルシダー』)
類語
・青空(あおぞら)
意味:他の語に付いて、屋外、露天、の意を表す。(出典:デジタル大辞泉)
・天空(てんくう)
意味:広々とした空。大空。(出典:デジタル大辞泉)
・大空(おおぞら)
意味:広々とした空。(出典:デジタル大辞泉)
・虚空(こくう)
意味:何もない空間。大空。(出典:デジタル大辞泉)
青天井の意味②「取引で、相場の上限のないこと。」
「青天井」の二つ目の意味は「取引で、相場の上限のないこと。」です。
屋根がなく空が見える状態、つまりは天井(上限)がないことを例える言葉です。
主に、株価や物価など、経済的価値に関する話の中で用いられます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・こんなシステムがなければ企業の業績が良ければ、株価は青天井になるじゃない。
(出典:楡周平『フェイク』)
・それに投じられる金額は千億円単位、いや将来的なことまで考えれば青天井といってもよかった。
(出典:池井戸潤『下町ロケット』)
・ほとんど青天井に近い状態だ。
(出典:高杉良『呪縛 金融腐蝕列島II(上)』)
・この阿吽の呼吸でメイドになりきっている朝比奈さんだが、喫茶店でバイトでもしたらたちまち時給が青天井になると思う気持ちを抑えきれない。
(出典:谷川流『涼宮ハルヒシリーズ 9 涼宮ハルヒの分裂』)
類語
・天井知らず(てんじょうしらず)
意味:物価・相場がどこまで高くなるかわからないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・止所がない(とめどがない)
意味:とどまるところがない。きりがない。際限がない。とめどない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・切が無い(きりがない)
意味:際限がない。はてしがない。切法量も無い。切量も無い。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・糸目を付けない(いとめをつけない)
意味:物事をするのに何の制限も加えない。多く、惜しげもなく金品を使うことにいう。(出典:デジタル大辞泉)