重層的
「重層的な構造」などのように使う「重層的」という言葉。
「重層的」は、音読みで「じゅうそうてき」と読みます。
「重層的」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「重層的」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
重層的の意味
「重層的」には次の意味があります。
・いくつもの層にかさなっているさま。(出典:デジタル大辞泉)
「重層的」という言葉を言い換えると、「いくつかの要素が組み合わさっているさま」ということもできます。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・それは線状でなく、曲線状であり、重層的に重なり合った螺旋形である。
(出典:今村仁司『「大菩薩峠」を読む ―峠の旅人』)
・ここでは、前後二十秒の過去と未来が同時に、重層的に存在しているのである。
(出典:山田正紀『チョウたちの時間』)
・なんと重層的な歳月に、わたくしたちはつながれていることであろう。
(出典:石牟礼道子『苦海浄土』)
・つまり、人間の社会は重層的な構造をしているのである。
(出典:竹内久美子『浮気人類進化論 きびしい社会といいかげんな社会』)
・そのような作品に重層的な豊かさを与えているのがディケンズのテクニークである。
(出典:ディケンズ/青木雄造,小池滋訳『荒涼館』)
・そうして見えてきた重層的な真実に、蔭山はめくるめく思いさえ懐いていた。
(出典:柄刀一『400年の遺言 死の庭園の死』)
・意識は、人間が世界を認識し、適切な行動をとる一連の過程の中で、複雑で重層的な役割を果たしている。
(出典:茂木健一郎『思考の補助線』)
・目の前に重層的で複雑な形をした歩道橋がある。
(出典:塚本晋也『悪夢探偵』)