達観
「人生について達観する」などのように使う「達観」という言葉。
「達観」は、音読みで「たっかん」と読みます。
「達観」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「達観」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
達観の意味
「達観」には次の二つの意味があります。
1 広く大きな見通しをもっていること。遠い将来の情勢を見通すこと。
2 目先のことや細かなことに迷わされず、真理・道理を悟ること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
達観の意味①「広く大きな見通しをもっていること。遠い将来の情勢を見通すこと。」
「達観」の一つ目の意味は「広く大きな見通しをもっていること。遠い将来の情勢を見通すこと。」です。
視野が広く、物事の将来が見えることを言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これからは料理にも注意したほうが良いかな、と、結構達観していた。
(出典:奈須きのこ『歌月十夜-35 鏡の中の遠野志貴』)
・静かに大勢を達観すれば、世界二分と決戦兵器の出現は歩調を一にして進んでいる。
(出典:石原莞爾『戦争史大観』)
・これも不思議と言えば不思議な話だが、やはり賢人が運命を達観したという話だろう。
(出典:池田弥三郎『話のたね』)
類語
・縦覧(じゅうらん)
意味:自由に見ること。思うままに見てまわること。(出典:デジタル大辞泉)
・見渡す(みわたす)
意味:遠くまで広く眺める。広い範囲にわたって見る。(出典:デジタル大辞泉)
・博覧(はくらん)
意味:広く書物を読んだり見聞したりして、物事をよく知っていること。(出典:デジタル大辞泉)
・大観(たいかん)
意味:広く全体を見渡すこと。大局を眺めること。(出典:デジタル大辞泉)
達観の意味②「目先のことや細かなことに迷わされず、真理・道理を悟ること。」
「達観」の二つ目の意味は「目先のことや細かなことに迷わされず、真理・道理を悟ること。」です。
物事に動じず、悟りの境地に達していることを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・何事も天意だと達観していながら、すぐ居ても立ってもいられない心地がしてくる。
(出典:吉川英治『宮本武蔵』)
・老人は達観したような顔で首をふった。
(出典:三浦真奈美『風のケアル 第3巻 嵐を呼ぶ烽火』)
・まるで、千年を生きて人間の闇を全て見つめてきたような、達観した絶望がそこにあった。
(出典:鎌池和馬『とある魔術の禁書目録 第03巻』)
・達観した表情を見ると、もう僕のことは諦めてる様に思えます。
(出典:宮谷シュンジ『絶望の世界 0絶望の世界 僕の日記』)
類語
・菩提(ぼだい)
意味:煩悩(ぼんのう)を断ち切って悟りの境地に達すること。(出典:デジタル大辞泉)
・警醒(けいせい)
意味:警告して人の迷いをさますこと。迷いを悟らせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・悟得(ごとく)
意味:悟りをひらいて、真理を会得すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・諦観(ていかん)
意味:本質をはっきりと見きわめること。諦視。(出典:デジタル大辞泉)