逆説的
「逆説的に言う」などのように使う「逆説的」という言葉。
「逆説的」は、音読みで「ぎゃくせつてき」と読みます。
「逆説的」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「逆説的」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
逆説的の意味
「逆説的」には次の意味があります。
・真理にそむくようでいながら、実際には真理をついているさま。また、普通とは反対の方向から考えを進めるさま。(出典:デジタル大辞泉)
一見すると事実と異なる命題を掲げて真理を追求する際に用いられる手法を逆説的と言います。
「逆説」という言葉には「一見正しい命題に見えるが実は間違いであるもの」と「一見間違いであるような命題だが実は正しいもの」がありますが、逆説的といった場合には後者の「間違いであるような命題だが実は正しいもの」を言います。
例えばことわざの「急がば回れ」は逆説的な格言です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・無視しようと思えば、逆説的に、まずその対象を目撃しなければならないのだから。
(出典:西尾維新『忘却探偵シリーズ 3 掟上今日子の挑戦状』)
・たぶんに逆説的ないい方になるが、私は本というものは読むために買うべきものではないと思っている。じゃあ、何のために買うのか。
(出典:森本哲郎『読書の旅 愛書家に捧ぐ』)
・逆説的にきこえるかもしれないが、変化するとは、変化しないものが変化するのである。
(出典:森本哲郎『読書の旅 愛書家に捧ぐ』)
・国民性のないという事実は、日本人がアメリカ人になりきるのを、ある意味で容易にする。多少、逆説的に聞こえるが、日本人のままでありさえすればよいのだ。周囲の目などは気にせず、日本人らしい顔をし、日本人としてごく自然に考え、行動すればそのままでアメリカ人的なのである。
(出典:藤原正彦『若き数学者のアメリカ』)
類語
・裏を返せば(うらをかえせば)
意味:逆の見方をすれば。本当のことを言えば。(出典:デジタル大辞泉)
・反語(はんご)
意味:表面ではほめ、またはそしって、裏にその反対の意味を含ませる言い方。多くは皮肉な言い方となる。(出典:デジタル大辞泉)
・パラドックス
意味:一般に正しいと思われていることに反することがらをいう。(出典:世界大百科事典 第2版)
・アイロニー
意味:反語。逆説。(出典:デジタル大辞泉)