見境
「見境なく手を出す」などのように使う「見境」という言葉。
「見境」は、訓読みで「みさかい」と読みます。
「見境」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「見境」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
見境の意味
「見境」には次の意味があります。
・物事の区別。善悪や良し悪しの判別。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「見境がない」「見境がつかない」など、後ろに否定する語を伴って使われる場合がほとんどです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・緊急とはいえ、前後の見境なく非常識な速度で走るわけにはいかない。
(出典:米澤穂信『満願』)
・我慢がならなくなったばかりでなく、前後の見境もなくしてしまったのである。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『カラマーゾフの兄弟』)
・防波堤も次第に背が低くなって、海岸を埋めた岩の群と見境がつかなくなっていた。
(出典:福永武彦『草の花』)
・彼の一生は依存の一生で、誰彼の見境いなく、人物への信頼も信義もなかった。
(出典:坂口安吾『織田信長』)
・症例の一つとして、カッとして前後の見境がなくなる行動をとることがある。
(出典:斉藤茂太『「まさか」の人に起こる異常心理』)
類語
・見分け(みわけ)
意味:見分けること。(出典:デジタル大辞泉)
・識別(しきべつ)
意味:物事の種類や性質などを見分けること。(出典:デジタル大辞泉)
・文目(あやめ)
意味:物の区別。見分け。けじめ。(出典:デジタル大辞泉)
・見識(けんしき)
意味:物事を深く見通し、本質をとらえる、すぐれた判断力。ある物事に対する確かな考えや意見。(出典:デジタル大辞泉)
・判別(はんべつ)
意味:区別を明らかにすること。見分けること。(出典:精選版 日本国語大辞典)