萎縮
「萎縮する」などのように使う「萎縮」という言葉。
「萎縮」は、音読みで「いしゅく」と読みます。
「萎縮」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「萎縮」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
萎縮の意味
「萎縮」には次の二つの意味があります。
1 しぼんでちぢむこと。また、元気がなくなること。
2 正常の大きさに達した生体の器官などが、小さく変化して、機能しなくなること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
萎縮の意味①「しぼんでちぢむこと。また、元気がなくなること。」
「萎縮」の一つ目の意味は「しぼんでちぢむこと。また、元気がなくなること。」です。
身体などが物理的に縮むことや、比喩的に気持ちや気力が縮んで元気がなくなること、を意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・視線が合っても表情を変えず、ぼくのほうが萎縮するほどの落ち着き方だった。(出典:樋口有介『11月そして12月』)
・だから、学校へ行っても萎縮してしまって、口をきけないでいたのです。(出典:橋本治『勉強ができなくても恥ずかしくない ―どうしよう…の巻』)
・縫い止められたように足は動かず、萎縮してしまった体は姿勢を崩すことすらできない。(出典:流星香『プラパ・ゼータ 5 闇色の魔道士』)
・冷気に晒されて知らず知らず毛穴が閉じるように、心が萎縮してしまう。(出典:原田宗典『どこにもない短篇集』)
・対戦相手としては最も苦手な人種だが、ここで萎縮してはいられない。(出典:川原礫『アクセル・ワールド 第12巻 -赤の紋章』)
類語
・消沈(しょうちん)
意味:消えうせること。また、気力などが衰えてしまうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・気落ち(きおち)
意味:失望して気力をなくすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・へこたれる
意味:気力がくじけ弱ってしまう。(出典:デジタル大辞泉)
・青菜に塩(あおなにしお)
意味:青菜に塩を振りかけるとしおれるように、人が元気がなくしょげるようすをいう。(出典:デジタル大辞泉)
萎縮の意味②「正常の大きさに達した生体の器官などが、小さく変化して、機能しなくなること。」
「萎縮」の二つ目の意味は「正常の大きさに達した生体の器官などが、小さく変化して、機能しなくなること。」です。
主に、生体の細胞組織や臓器などの容積が減少してしまうことを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・傷のために、片方の脚が萎縮して私の腕ぐらいの太さになっている。(出典:オーウェル/高畠文夫訳『カタロニア讃歌』)
・腸はすべて萎縮して張り付き、腹から背骨がはっきりさわれたという。(出典:竹下節子『パリのマリア』)
・診断の結果、やはり脳がかなり萎縮していることが判明した。(出典:東野圭吾『赤い指』)
類語
・収縮(しゅうしゅく)
意味:ちぢまること。ちぢむこと。また、ちぢめること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・緊縮(きんしゅく)
意味:引き締まること。締まりのないものを引き締めること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・凝縮(ぎょうしゅく)
意味:こり固まって縮まること。ある一点に集中させること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・凋落(ちょうらく)
意味:花や葉がしぼんで落ちること。(出典:デジタル大辞泉)