至れり尽くせり
「至れり尽くせりのサービス」などのように使う「至れり尽くせり」という言葉。
「至れり尽くせり」は、訓読みで「いたれりつくせり」と読みます。
「至れり尽くせり」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「至れり尽くせり」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
至れり尽くせりの意味
「至れり尽くせり」には次の意味があります。
・配慮が行き届いていて、申し分がないこと。(出典:故事成語を知る辞典)
荘子(そうし)が書き残した「斉物論(せいぶつろん)」の中で、「それ以上のものはなく、すべてを尽くしている最高の境地」という意味で「至れり尽くせり」と表現しています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・至れり尽くせりで客を持ち上げ、金を使わせるのが彼らの仕事なのだ。
(出典:海月ルイ『十四番目の月』)
・この地区に入った最初の外国人ということで、至れり尽くせりのサービスである。
(出典:井上靖『私の西域紀行(下)』)
・遠来の客として、私はノエルおっかさんの至れり尽くせりの世話を受けた。
(出典:ヴィドック/三宅一郎訳『ヴィドック回想録(2)』)
・文句のつけようもないほどの至れり尽くせりだ。
(出典:西尾維新『悲鳴伝』)
・この旅館が、痒いところに手が届くというのか、まことに至れり尽くせりなのだ。
(出典:岸本葉子『30前後、やや美人』)
類語
・丁寧(ていねい)
意味:細かいところまで気を配ること。注意深く入念にすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・丹念(たんねん)
意味:細かいところにまで注意を払うこと。心を込めて丁寧に行うこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・入念(にゅうねん)
意味:細かいところまで行きとどいていて、丁寧なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・痒い所に手が届く(かゆいところにてがとどく)
意味:細かいところまで配慮が行き届いて、気が利いていることのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・綿密(めんみつ)
意味:詳しく細かいこと。すみずみまで注意が行き届いていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)