自叙伝
「自叙伝を執筆する」などのように使う「自叙伝」という言葉。
「自叙伝」は、音読みで「じじょでん」と読みます。
「自叙伝」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「自叙伝」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
自叙伝の意味
「自叙伝」には次の意味があります。
・自分の生い立ち・経歴などを、ありのままに自分で書いたもの。(出典:デジタル大辞泉)
ほぼ同じとして扱われる意味の言葉に「自伝」がありますが、厳密には自伝は体験を時系列で並べ、近しい人に向けて書いたものである一方、自叙伝は、自身の経験から面白い部分を小説風にしてまとめて万人向けに書いたものであるという違いがあるようです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この物語はどの程度まで真実であるにしろ、自叙伝的なもののようだ。
(出典:ハインライン『愛に時間を1』)
・これは日記と自叙伝との種類の区別を暗示するものでなければならぬ。
(出典:三木清『日記と自叙伝』)
・僕たちは芸術をまるで自叙伝の一つの形式のように取扱う時代に生きてるんだ。
(出典:ワイルド/渡辺純訳『ドリアン・グレイの肖像』)
・手紙形式による自叙伝をもう少し続けたいと思ったのであろう。
(出典:ルソー/桑原武夫訳『告白(下)』)
・批評の最高の形式は、その最低のものと同じく、自叙伝の一様式である。
(出典:ワイルド/渡辺純訳『ドリアン・グレイの肖像』)
類語
・回顧録(かいころく)
意味:過去の思い出などを書いたもの。(出典:デジタル大辞泉)
・武勇伝(ぶゆうでん)
意味:武勇にすぐれた人の伝記。(出典:デジタル大辞泉)
・伝記(でんき)
意味:個人の生涯にわたる行動や業績を叙述したもの。(出典:デジタル大辞泉)
・立志伝(りっしでん)
意味:志を立て、苦労と努力の末に成功した人の伝記。(出典:デジタル大辞泉)
・列伝(れつでん)
意味:多くの人々の伝記を書き並べたもの。(出典:デジタル大辞泉)