自ずと
「自ずとわかってくる」などのように使う「自ずと」という言葉。
「自ずと」は、常用漢字表にない読み・表外音訓の訓読みで「おのずと」と読みます。
「自ずと」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「自ずと」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
自ずとの意味
「自ずと」には次の意味があります。
・ひとりでに。おのずから。(出典:デジタル大辞泉)
一言で言い換えれば、自然に、という意味です。
外的な働きかけや力によらず、成り行きにまかせて自然とそうなっていく様を表します。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私は静かに門のそとに立って戸の自ずとあくのを待ちたくも思いました。
(出典:武者小路実篤『友情』)
・マラソンとて同じだ、自ずとこの旅で明美はそのことを学ぶはずだった。
(出典:野田秀樹『おねえさんといっしょ』)
・それが何かを見極めれば、自分が取るべき行動も自ずと決すると思えた。
(出典:水野良『ロードス島戦記 外伝「黒衣の騎士」』)
・れが手に入れば方法も自ずと決まってくるかもしれないとも。
(出典:石原慎太郎『遭難者』)
・人がそれらの現象に接する機会も自ずと少なくなることだろう。
(出典:竹内久美子『パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本のこころ』)
類語
・自ずから(おのずから)
意味:そのもの自体の力、成り行きに基づくさま。自然に。(出典:デジタル大辞泉)
・独りでに(ひとりでに)
意味:他からの力は加わっていないはずなのに、自然に。(出典:デジタル大辞泉)
・自然(しぜん)
意味:ことさら意識したり、手を加えたりせずに事態が進むさま。また、当然の結果としてそうなるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・自動的(じどうてき)
意味:特別に手を加えなくてもあることに伴って自然にそうなるさま(出典:デジタル大辞泉)
・己と(おのれと)
意味:自分から。みずから。また、ひとりでに。自然に。(出典:デジタル大辞泉)